【これからの見通し】不安定な相場の一週間も、週末控えて小康状態に
【これからの見通し】不安定な相場の一週間も、週末控えて小康状態に
昨日のNY市場ではドル円が106円近辺での値動きへと次第に収束した。米株式市場の下落が食い止められたことが市場の緊張ムードを緩和していた。ただ、一昨日に800ドルの大幅安となったダウ平均は99.97ドル高で取引を終えており、反発力は弱かった。米債券市場では、2-10年債利回りの逆転現象は解消されており、3-4BP程度で推移している。今日の東京市場でもドル円は106円台を維持している。日経平均は一時下げたものの、大引けは13円高と小幅反発で引けた。
この後の海外市場では、引き続き米中貿易戦争関連の報道や米債券利回りの動向をチェックしたい。昨日はトランプ米大統領が「先日の中国側との協議は非常に良い内容であった」と述べて市場がひと安心したが、「取引(合意)は米国の条件に従ってもらう」との主旨の発言もあって、まだ対立状態は続いている。中国側からは、習氏とトランプ氏の合意を米国が破った、新たな10%関税で」との発言があった。ただ、双方とも話し合いを続ける姿勢は示していた。
今週話題となった米長短金利差の逆転現象はひとまず解消されている。米小売売上高などが予想を上回ったことが奏功していた。ただ、今後、この状況が長引いてくるようだと市場では再びリセッションへの警戒感が高まりそうだ。9月のFOMC会合では、0.5%利下げ見込みは3割弱と一定割合の見通しが残っている。来週には米FOMC議事録や週末にかけてのジャクソンホール会合が予定されており、米金融当局者の金利見通しと市場の見通しのすり合わせがうまくいくのかどうかが注目されよう。
今日の経済指標発表予定は比較的少なめ。ユーロ圏貿易収支(6月)、米住宅着工件数(7月)、米住宅建設許可件数(7月)、米ミシガン大学消費者物価指数・速報値(8月)などが予定されている。結果内容とともに米株式市場や米債券利回り動向に反応をチェックしておきたい。
ドル円は106円台を維持して、比較的値動きは落ち着いている。ただ、昨日の日本時間午後3時台の乱高下の記憶は新しい。薄いマーケットの時間帯に持ち込まれるフローには注意が必要。ユーロドルは1.11付近と今週の安値圏で推移している。昨日はレーン・フィンランド中銀総裁が、「9月理事会では相当程度のインパクトのある刺激策が必要、刺激策は過小よりも過大のほうがより良い」と発言しており、ユーロ売り材料となっていた。一方、ECB側の発言に対して、トランプ米大統領がFRBの政策と比較しながら過激な発言を行う可能性もあり、今後注意しておきたい。ただ、基本的には週末や来週の種々のイベント予定を控えて、様子見ムードとなりそうだ。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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