ポンドが下落、予想外の英GDPマイナス成長で=ロンドン為替概況
ポンドが下落、予想外の英GDPマイナス成長で=ロンドン為替概況
9日のロンドン市場は、ポンドが軟調。第2四半期の英GDP速報値が発表され、前期比-0.2%と事前予想横ばいから落ち込んだ。2012年第4四半期以来のマイナス成長。ジョンソン政権になってから合意なき離脱への警戒感が高まっており、設備投資が落ち込んだ。米中貿易戦争の影響もあって、輸出入とも減少した。ポンド相場は発表前から売りが先行した。発表後にはポンドドル1.21台割れ、ポンド円128円台割れへと安値を広げた。伊政局不安が再燃しており、伊債利回りが低下、欧州株も全般に軟調。ただ、リスク回避の動きは限定的。ユーロドルは一時1.12台乗せと小高い。ユーロ円は118円台半ばでの揉み合い。対ポンドでのユーロ買い圧力が下支え。ドル円105円台後半で上値重く推移し、本日安値を105.72レベルまでわずかに広げた。
ドル円は105円台後半での取引。東京午後の上昇局面では106円台に届かず上値の重さが確認された。その後はじり安の動きとなり、取引中盤にかけては105.72レベルまで下落。東京早朝の安値をわずか1銭だけ広げた。イタリア政局不安を受けて欧州株や米株先物が軟調に推移している一方で、原油先物は買われており、リスク動向はまちまち。
ユーロドルは1.12近辺での取引。1.12台を挟んで小幅の上下動にとどまっている。序盤に1.1180レベルまで軟化したあとは1.1208レベルまで反発した。ユーロ円は118.60近辺からやや下げて118.45近辺までの小動き。対ポンドでのユーロ買いが下支えとなっている。この日はイタリア債が売られている。伊連立与党の北部同盟が、上院に内閣不信任案の動議を提出する予定、時間を無駄にせず、総選挙を急ぐべき、としておりイタリアの政局不透明感が高まっている。伊MIB株価指数は2%超安、伊10年債利回りは一時1.77%台まで上昇した。
ポンドドルは1.20台後半での取引。ポンド相場がロンドン市場での主役となっている。この日発表された第2四半期の英GDP速報値が前期比マイナス0.2%と事前予想横ばいから下振れたことが売りを広げている。マイナス成長は2012年第4四半期以来。合意なき離脱への警戒感を反映して、投資の落ち込みが顕著だった。また、貿易も輸出入ともに減少した。ポンドドルは1.21台を割り込み、1.2060台へと下落。ポンド円は128円台半ばから127.50台へと下落している。ユーロポンドは0.9220近辺から0.9280近辺へと上伸。ジャビド英財務相は、今日のGDPの結果に誰も驚かない、データのボラティリティーを反映したもの、第2四半期のあとにリセッションに陥るとは全く予想していない、合意なき離脱の場合、それを恐れも心配もしない、などと市場の不安心理の火消しに回ったが効果はみられず。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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