FOMC待ちの中、ドル円は上値の重い展開=NY為替前半
きょうのNY為替市場でドル円は上値の重い展開となっている。前日はG20での米中協議への期待が高まり、米株も大幅高となる中、ドル円もリバウンドの動きを見せた。しかし、その流れを維持することができていない。このあとFOMCの結果発表が予定されており、市場にはその結果待ちの雰囲気が広がっている。FRBは利下げの可能性を示唆してくると期待されている中、ドル円は上値に蓋をされている状況のようだ。
前日のECB年次フォーラムでドラギ総裁は追加緩和の可能性を強調していたが、日銀にも同様の期待が高まってはいる。しかし、既に残されている手段が少ないのも実情で、日銀の追加緩和に期待した円売りを仕掛ける雰囲気もない。一方で株価が底堅く推移する中、下押しの動きもいまのところなく、108円台での膠着した展開が続いている状況。目先は108円ちょうど付近と107.80円が下値サポートして意識される。
ユーロドルは1.12ドル台に戻す展開。一時1.1220ドル近辺まで上昇したが、本日の21日線が1.1225ドル付近に来ており、その水準は上値抵抗となっている模様。きょうはユーロが上昇しているほか、ドイツ10年債利回りも上昇している。
前日はドラギ総裁の追加緩和や利下げの可能性を強調した発言でユーロもドイツ債利回りも下げた。しかし、ドラギマジックも1日で終了している。きょうの動きを見て市場からは、ECBの金融政策の見通しはもはや、市場に大きな影響を与えるだけの余力はないのではとの声も出ているようだ。これまでの緩和拡大策で、ECBの緩和余地も既に少なくなっており、実施したとしても影響は以前ほどは大きくはない可能性も指摘されている。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。