ラガルド総裁、欧州は経済ショックに対する耐性を高めている
ラガルドECB総裁が、本日ポルトガルのシントラで開催するECB年次フォーラムの開会演説を行っており、欧州は金融制度の強化とグリーン移行の進展により、域外からのショックに対する耐性を高めていると述べた。銀行規制や財政ルールの改善に加え、低炭素エネルギーへの投資が近年成果を上げていると指摘。
具体例として、シリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻がユーロ圏の銀行に波及しなかったこと、トランプ大統領による関税攻勢にも欧州経済が冷静に対応できたこと、さらに最近では、歴史上最大級とも言える原油供給の混乱にも耐えたことを挙げた。
ラガルド総裁は「インフレが目標から乖離するようなショックに見舞われる可能性は以前より高まっている。しかし、欧州が築いてきた強靭性によって、そうしたショックが経済に与える影響はより限定的になっている」と述べた。
さらに、「そのため、見過ごせるショックと断固たる対応が必要なショックとの中間に位置するケースに直面することが、今後はより多くなるだろう」と語った。
米国とイランの和平合意によって緊張が和らいでいるもののラガルド総裁は「和平の持続性は決して保証されていない」と述べた。その上で、政策当局者は追加利上げが必要かどうかを判断しなければならないと指摘した。
ラガルド総裁はまた、6月利上げは力強い決定だったと改めて強調し、その後に確認された事実で、この判断を覆すものは何もなかったと述べた。また、この利上げを保険的利上げと表現するのは適切ではないとの考えも示した。
その代わりに、ECBがリアルタイムデータが中期的なインフレへ与える影響をより深く理解できるようになったことや、2022年の急激なインフレ局面でしばしば予測を外した四半期経済見通しの精度が改善したことを評価した。
ラガルド総裁は「6月利上げはその時点で目の前にあったデータに基づいて下した判断だった」とも述べた。さらに「非常に不確実性の高い環境の中でも、自信を持ってその決定を下せたのは長年に渡りデータ、各種指標、経済予測の改善へ投資してきた成果である」と語った。
最後にラガルド総裁は、ECBの政策運営の反応関数は市場に十分理解されており、市場は新たな経済データに応じて自ら金融環境を調整するようになっていると指摘した。
執筆者 : MINKABU PRESS
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