【通貨別まとめと見通し】ユーロ円:184円岩盤支持からのV字反転、ECB通過で不透明感払拭、再び186円大台へ再突入
【通貨別まとめと見通し】ユーロ円:184円岩盤支持からのV字反転、ECB通過で不透明感払拭、再び186円大台へ再突入
先週から今週(6月8日〜6月15日)のまとめ
前回レポートで指摘した「最重要岩盤支持線(184.00円)」を巡る神経質な攻防は、結果として驚異的な下値の堅さを証明するV字反転の起点となった。週初8日(月)に一時184.01円まで深く調整したものの、この大台手前で猛烈な押し目買いを確認すると相場は即座に反発。11日(木)のECB理事会という超大型イベントも無難に通過し、週末にかけて185円台半ばへと水準を切り上げた。さらに週明け15日(月)には、日欧金利差を背景とした円売りが再燃し、一時186.06円まで急騰。前週の米雇用統計後の下落分を完全に帳消しにし、再び186円の大台を突破する強気ステージへと回帰している。
詳細な値動きの振り返り
■ 184円岩盤からの自律反発と185円台の攻防(6月8日〜10日)
週明け8日に184.01円で底を打った後、相場は急速に買い戻され、9日(火)には一時185.47円まで上昇。10日(水)も185円台半ば(高値185.57円)での揉み合いを続け、184円台への逆戻りを断固拒否した。翌日に控えたECB理事会を前に警戒感が交錯しつつも、下値の強固さを見せつける足固めの展開となった。
■ ECB理事会通過と下値確認からの急反発(6月11日〜12日)
11日(木)のECB理事会では、事前の予想通り0.25%の利下げが実施された。発表直後から12日(金)未明にかけては、一時的にユーロ売りが先行し184.66円まで急押しする場面が見られた。しかし、ラガルドECB総裁の会見などから「連続利下げを急がない(タカ派的スタンス)」が意識されると、材料出尽くしによるユーロ買い戻し(ショートカバー)が優勢に。12日(金)の欧州・NY時間にかけては185.50円近辺まで力強く買い戻された。
■ 週明けの186円大台再突入と足元の攻防(6月15日〜16日現在)
週明け15日(月)に入ると、東京時間から欧州時間にかけてユーロ買い・円売りが一段と加速。21:00台には一時186.06円まで上値を伸ばし、再び186円の大台へと突入した。本日16日(火)午前現在、直近では185.50円台(11:00時点185.55円)へとやや押し戻されているものの、先週前半の抵抗帯であった185.40 - 185.50円が、今度はサポート(ロールリバーサル)として機能するかの底固めを行っている。
ファンダメンタルズ分析
欧州側(利下げ開始もタカ派的据え置き): 11日のECB理事会での利下げは完全に織り込み済みであり、最大の焦点だった「今後の連続利下げ期待」に対して慎重な姿勢が示された。これにより欧州の早期利下げ観測が後退し、それまで溜まっていたユーロショートの一斉な巻き戻しを誘発。ユーロの全面高を支える結果となった。
日本側(実質金利差の継続と介入警戒): 再び186円台へ突入したことで、本邦当局による為替介入への警戒感は再び高まっている。しかし、根本的な「日欧の実質金利差の大きさ」という地合いに変更はなく、184.66円などの急押し局面が格好の押し目買い好機と捉えられていることが今回のV字反転で実証された。
テクニカル分析
トレンド: 短期的に低迷していた「184.00 - 185.00円」のレンジを完全に上抜け、主戦場を再び「185.50 - 186.20円」の強気チャネルへと押し戻した。11日の調整安値(184.66円)が、前週の安値(184.01円)から明確に切り上がっており、日足・4時間足レベルの上昇トレンドが極めて強固に継続していることを示している。
レジスタンス1: 186.00 - 186.06(15日高値であり、心理的節目。ここを安定的にクリアすれば上値追いが加速)
レジスタンス2: 186.20 - 186.21(6月2日および5日に阻まれた直近の年初来高値圏抵抗帯。最大の難所)
サポート1: 185.40 - 185.50(前週までの頑強な抵抗帯。ロールリバーサルにより支持帯へ転換し、足元で踏みとどまれるかの第1防衛線)
サポート2: 185.00(心理的節目。調整が入った場合の重要な下値目安)
サポート3: 184.60 - 184.66(11日のECB後の急押しで下げ止まった短期的な最終防衛線)
今後のポイント・見通し
今週後半に向けた最大の焦点は、奪還した「185.50円以上の強気圏」を維持し、直近高値である186.21円を更新して新たな上昇トレンドを形成できるかである。
【メインシナリオ】強気チャネル維持による186円台定着と年初来高値更新への挑戦
足元の185.50円近辺での足固めを経て、再び日欧金利差を背景としたユーロ買い・円売りが優勢となる展開。186.00円の大台を完全に味方につけ、直近高値186.21円を上抜けて186.50円方向へと上値を拡張する可能性が高い。
想定レンジ: 185.20 - 186.50
根拠: ECB通過によるショートカバーの継続、下値の切り上がり(184.01円→184.66円)、および根本的な円安地合いの継続。
【対抗シナリオ】介入警戒感に伴う利食いと185円台割れレンジへの回帰
186円の大台に再接近したことで、本邦当局の口先介入等への警戒感が強まり、週末に向けたロングポジションの利益確定売りが交錯。185.40円のサポートを割り込んだ場合、再び185.00円の心理的節目をテストするパワー蓄積期間(揉み合い)の延長を余儀なくされる。
想定レンジ: 184.80 - 186.00
根拠: 186円大台付近での強固な戻り売り圧力、および為替介入リスクに伴う手仕舞い売り。
総評
6月8日から15日にかけてのユーロ円は、米雇用統計後の激しい調整から見事に立ち直り、184.00円の岩盤支持を起点とした綺麗な「V字反転」を達成した。最大の懸念イベントであったECB理事会を通過したことで市場の不透明感は一掃され、需給は再びユーロ買い・円売りに傾いている。足元は一時的な押し目を作っているものの、下値は確実に切り上がっており、テクニカル的にも再び186円の大台定着、そして年初来高値(186.21円)の突破に向けたエネルギーを充填する好環境が整ったと言える。
今週の主な予定
ユーロ圏
06/15 18:00 鉱工業生産指数 (4月) 結果 0.1% 予想 0.3% 前回 0.2% (前月比)
06/15 18:00 鉱工業生産指数 (4月) 結果 0.3% 予想 0.5% 前回 -2.1% (前年比)
06/15 18:00 貿易収支 (4月) 結果 -10.0億ユーロ 前回 78.0億ユーロ (季調前)
06/15 18:00 貿易収支 (4月) 結果 13.0億ユーロ 前回 35.0億ユーロ (季調済)
06/16 18:00 ZEW景況感指数 (6月) 前回 -9.1 (ZEW景況感指数)
06/17 18:00 消費者物価指数(HICP・確報値) (5月) 予想 3.2% 前回 3.2% (前年比)
06/17 18:00 消費者物価指数(HICP・確報値) (5月) 予想 2.5% 前回 2.5% (コア・前年比)
06/18 17:00 経常収支 (4月) 前回 149.0億ユーロ (季調済)
06/18 18:00 建設業生産高 (4月) 前回 0.8% (前月比)
06/18 18:00 建設業生産高 (4月) 前回 -1.2% (前年比)
ドイツ
06/15 15:00 卸売物価指数 (5月) 結果 -0.6% 前回 2.0% (前月比)
06/15 15:00 卸売物価指数 (5月) 結果 5.9% 前回 6.3% (前年比)
06/16 18:00 ZEW景況感指数 (6月) 予想 -6.0 前回 -10.2
06/19 15:00 生産者物価指数 (5月) 予想 0.8% 前回 1.2% (前月比)
06/19 15:00 生産者物価指数 (5月) 予想 2.5% 前回 1.7% (前年比)
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。