トランプ大統領の10万ドルのH-1Bビザ申請料、裁判所が却下
マサチューセッツ州連邦地裁は、トランプ大統領が導入したH-1Bビザ申請に対する10万ドルの手数料について違法と判断し、無効とする判決を下した。
この判断は、高度外国人労働者の採用に依存する米IT企業にとって追い風となる一方、移民抑制を進めるトランプ政権には打撃となる。
判決でソロキン判事は、「この政策は議会からの適切な権限委譲なしにH-1B申請へ課税するもので、無効とされなければならない」と述べた。裁判では、カリフォルニア州、マサチューセッツ州を含む20の州が「大統領権限を逸脱している。教育や医療などの公共分野に深刻な悪影響を及ぼす」と主張していた。
これに対してホワイトハウスは控訴する方針を表明。ホワイトハウスのロジャーズ報道官は、「トランプ大統領には、米国の利益にならないと判断した外国人の入国を制限する明確な法的権限がある」と主張。さらに「H-1B制度は何十年にも渡り乱用されてきたが、トランプ大統領はそれを是正するために行動した」と述べた。
また、ワシントンDCの連邦裁では類似の措置が支持されており、控訴審で今回の判決は覆ると確信しているとも語っている。
H-1Bビザは、米国企業が高度な専門知識を持つ外国人を雇用するための制度で、特にIT業界で広く利用されている。2025年9月、トランプ大統領はH-1B制度が米国人労働者の雇用を奪っているとして、申請手数料を10万ドルに大幅に引き上げる大統領令に署名した。手数料は1年間限定で、政権が延長しない限り失効する仕組みだった。
ソロキン判事は最近の米最高裁によるトランプ政権の関税政策を巡る判決にも言及。同判決では「法律に明確な規定がない場合、大統領は独自に税金や関税を課すことはできない」との判断が示されている。
判事は、曖昧な法律文言だけでは課税権限の委譲を認めることはできない」と述べ、今回のH-1B手数料も同様の問題を抱えていると判断した。
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。