【これからの見通し】リスク資産に調整局面、為替は悪い円安の様相呈す ドル円155円台で値固めも
【これからの見通し】リスク資産に調整局面、為替は悪い円安の様相呈す ドル円155円台で値固めも
今週はリスク資産に対する調整局面となっている。先週後半からAI関連株主導で売りが嵩み、足元でもその傾向が残っている。極端な高リスク資産である暗号資産が今年の上げを帳消しにしているほか、本来安全資産の面が強い金相場においても現金化の圧力が優勢になっている。11月でファンド勢がリバランスや手仕舞いを進めるタイミングであることも重なっているようだ。
そのなかで、ドル円相場は緩やかかつ着実に水準を上げてきている。今日の東京市場では155.40付近に高値を伸ばしている。2月4日以来のドル高・円安水準となっている。リスク警戒的なドル買いが入りやすい面とともに、円売りの面も加わっているようだ。高市政権では責任ある積極的な財政政策を掲げている。その規模感の見えにくい拡張的な財政状況が市場に警戒されている。債券売り(利回り上昇)、株安、円安といった日本売りの様相を呈してきている。
為替市場では、その他市場ほどの大きな動きとはなっていないが、円がじり安となる動きには根強いものがある。リスク回避の円買いや、政府・日銀による口先介入や実弾介入警戒による円買いの動きは抑制されている。加えて、中国との関係悪化が今後のインバウンド状況などに悪影響を与えることも懸念される。「悪い円安」が進みそうな気配だ。
この後の海外市場で発表される経済指標は、香港雇用統計(10月)、ハンガリー中銀政策金利(11月)、カナダ住宅着工件数(10月)、米製造業新規受注(8月)、米耐久財受注(確報値)(8月)、米NAHB住宅市場指数(11月)などが予定されている。いずれもそれほど市場にインパクトを与えるような指標ではない。そのなかで、米ADP民間雇用者数(週次)が注目される可能性を指摘しておきたい。
発言イベント関連では、足元で高市首相と植田日銀総裁が会談を行っている。円相場や金利政策についてのニュアンスを確かめたい。その後は、ペレイラ・ポルトガル中銀総裁、ドレンツ・スロベニア中銀暫定総裁、ピル英中銀チーフエコノミスト、バーFRB理事、バーキン・リッチモンド連銀総裁、ディングラ英中銀委員などの講演や会見、イベント参加が予定されている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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