【これからの見通し】トランプ関税がアジア通貨を不安定に、ドル売り圧力でドル円も一時143円台
【これからの見通し】トランプ関税がアジア通貨を不安定に、ドル売り圧力でドル円も一時143円台
週明けのアジア市場ではドル売り圧力が広がっている。きっかけは台湾ドルの急騰。一時対ドルで5%高となった。輸出業者が保有している米ドルを台湾ドルに急いで交換しているとの観測が広がっている。トランプ関税に対する不安感がアジア通貨を不安定にしているようだ。
当のトランプ大統領は、週末に「外国製映画に100%の関税を課す計画」「今週、習近平と話す予定はない」などと発言している。「パウエルFRB議長を任期満了前に解任しないことを確認」「対中関税はいずれ引き下げられる」などとも発言しているが、週明けの時間外取引では米株先物は主要3指数が軒並み下落している。
また、週明けには原油先物が急落している。OPEC+が週末に5月のサプライズ増産に続き、6月にも日量41万1000バレルの増産に合意したことが背景。NY原油先物は先週末の58ドル台前半から週明け時間外取引で一時55ドル台前半まで急落した。
アジア通貨発のドル売り圧力とともに米株先物が下落と、ドル円にとってはドル安・円高圧力が重なっている。これまでのところ、145.00付近を高値に一時143.97レベルまで下押しされている。
この後の海外市場ではドル安圧力が継続するのか、欧州や米国の株式動向とともに注意してみたいところだ。
経済指標の発表予定は、トルコ消費者物価・生産者物価指数(4月)、米非製造業PMI・確報値(4月)、ISM非製造業景気指数(4月)など。ISM非製造業PMIは50.3と前回の50.8から低下する見込み。50割れとなれば、かなりのネガティブサプライスとなりそうだ。
発言イベント関連では、米3年債入札(580億ドル)が実施される程度。米ブラックアウト期間の影響もあって金融当局者の目立った講演などの予定はみられない。米主要企業決算は、カミンズ、フォードモーター、タイソンフーズ、ロウズなどが注目される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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