米国の追加関税に中国も対抗措置、貿易戦争エスカレート ドル円144円台後半=ロンドン為替概況
米国の追加関税に中国も対抗措置、貿易戦争エスカレート ドル円144円台後半=ロンドン為替概況
ロンドン市場では、円買い圧力が継続。この日は米国が相互関税を発動している。ロンドン時間には、中国も米国製品に対して84%の追加関税を発表した。報復合戦が繰り広げられており、貿易戦争がエスカレートしている。欧州株は序盤からの下げ幅を一段と拡大、NY原油先物は一時55ドル台に下落、リスク回避の動きが強まっている。ドル円は東京市場で146円台から144円台半ばへと下落したあと、145円台後半まで下げ渋る場面があった。しかし、中国の報復措置を受けて再び144円台後半へと軟化している。ユーロ円も売買が交錯する落ち着かない相場となるなかで、足元では160円台割れへと再び軟化。ポンド円は原油安の影響もあり、185円台前半へと安値を広げる動きを見せている。米国相互関税を受けて財務省、金融庁、日銀が三者会合を実施、資本市場の動向を議論した。中国指導層は早ければ本日水曜にも会合を開き、米貿易関税後の景気浮揚策を協議するとした。英中銀はFPC会合で、一段と急激な調整が入るリスク、なお高いと指摘した。債券市場では米長期債利回りの急上昇に続いて、英長期債利回りも1998年以来の高水準となった。一段と混乱した状況になっている。
ドル円は144円台後半での取引。東京朝方の146.36近辺を高値に、東京午後には144.58近辺まで下落。直近安値に迫った。その後は下げ一服となり、ロンドン序盤には145円台後半まで反発。しかし、欧州株の大幅安や原油安を受けて再び軟化。中国の対抗措置発表で再び144円台後半で取引されている。
ユーロドルは1.10台半ばでの取引。東京朝方の1.0951近辺を安値に買われ、ロンドン朝方には1.1089近辺に高値を伸ばした。その後はロンドン序盤に1.10台割れまで反落も、再び1.10台半ばへと買い戻されている。ユーロ円は159.64-160.89レンジでの上下動。足元では160円台割れと上値が重くなっている。対ポンドではユーロ買いが優勢。
ポンドドルは1.27台後半での取引。東京朝方の1.2762近辺を安値に、ロンドン朝方には1.2864近辺まで買われた。その後は上値を抑えられており、1.27台後半まで再び下げている。 ポンド円は東京昼前につけた187.16近辺を高値に、振幅を伴いながら水準を下げている。足元では一気に安値を185円手前水準へと広げている。中国が対米報復関税を発表し、貿易戦争がエスカレート。原油相場が崩れたことに反応している。ユーロポンドは0.85台後半から0.86台前半へと上昇しており、ポンド売り圧力が優勢。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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