【これからの見通し】東京市場では円高の動き、海外市場での継続性はどうか きょうは米PPI
【これからの見通し】東京市場では円高の動き、海外市場での継続性はどうか きょうは米PPI
東京市場では円買いが優勢になっている。春闘で強い内容が期待されることから、植田日銀総裁は「輸入インフレ沈静化の一方で力強い賃金上昇続くため、実質賃金と消費支出は改善すると予想」と追加利上げに向けた前向きな姿勢を示している。経団連会長からは3年連続の大幅賃上げで流れは確信されるものとなったと自信を深めていた。
来週の米FOMCでは政策金利据え置きが市場コンセンサスとなっており、パウエル議長からも利下げを急がない姿勢が示されている。ただ、ここ1カ月の一連の米経済指標は弱含んでおり、トランプ政策の負の面がクローズアップされる展開になっている。先日はトランプ大統領が景気後退についてやや自信なさげの発言をした後、それを撤回して景気後退を否定したが、市場に与えた印象はどうだろう。
中期的な日米金利差縮小観測は根強く、円高圧力も根強いものとなっている。ただ、目先の為替市場ではドル安や円高の流れ自体に変化はみられないものの、短期的には一段の動きは一服している。インパクトある次の材料待ちとなっているようだ。
この後の海外市場で発表される経済指標は、スイス生産者輸入価格(2月)、香港鉱工業生産指数(2024年 第4四半期)、香港生産者物価指数(PPI)(2024年 第4四半期)、ユーロ圏鉱工業生産指数(1月)、南アフリカ製造業生産高(1月)、メキシコ鉱工業生産指数(1月)、米生産者物価指数(PPI)(2月)、米新規失業保険申請件数(03/02 - 03/08)、カナダ住宅建設許可(1月)などが予定されている。
注目は米PPIとなろう。前年比は+3.3%と前回の+3.5%からの伸び鈍化が見込まれている。前月比は+0.3%と前回の+0.4%から若干の鈍化見通し。食品とエネルギーを除く前年比は+3.5%(前回+3.6%)、同前月比は+0.3%(前回+0.3%)となっている。全般的に伸びの鈍化が見込まれている。昨日の米CPIでも同様の傾向が示されていた。項目ごとにばらつきがみられるものの、方向性としてはインフレの鎮静化が示されそうだ。
発言イベント関連では、レーン・フィンランド中銀総裁、デギンドスECB副総裁、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、マクルーフ・アイルランド中銀総裁、ナーゲル独連銀総裁、ビルロワドガロー仏中銀総裁、などのイベント参加や講演が相次ぐ。オーストリア中銀のホルツマン総裁とコッハー次期総裁がエネルギー会議に出席する。米金融当局者が発言を控えるブラックアウト期間に入っており、ECB関連が目立つ一日となる。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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