【これからの見通し】円安の動き一服、中国景気刺激策期待の動きも剥落 次の手掛かり探しに
【これからの見通し】円安の動き一服、中国景気刺激策期待の動きも剥落 次の手掛かり探しに
昨日の海外市場では、中国が「積極的な財政政策」「金融政策スタンスを緩和方向に転換」などと表明、来年の中国景気回復への期待が広がった。香港株がこの報道を受けて急反発して引け、為替市場ではロンドン時間を中心に円安とドル安の動きが広がった。ドル円は151円台を回復した。
しかし、きょうの中国・香港株はプラス圏で推移しているものの、さらに上値を追う動きには乏しい。為替市場では円売りは一服しており、ドル円は一時150円台に反落する場面がみられている。前日の米株式市場が3指数そろってマイナス圏で引けるなど調整ムードあり、リスク選好のセンチメントは長続きしていない。
金融政策面では、今週のECBや来週の米FOMCでの利下げは織り込み済みとなっている。当局者らの発言が手控えられるタイミングもあって手掛かり難だ。あすの米消費者物価指数、明後日の米生産者物価指数と新規失業保険申請件数などの結果待ちとなっている。
日銀については12月もしくは1月の利上げが市場に織り込まれている状況。12月、1月のどちらでの利上げとなるのかは不透明だが、円相場はそれほど神経質な動きをみせていない。材料としてはかなりこなれてきている印象だ。
ウクライナ情勢、中東情勢などにも市場は反応薄。ただ、来年にかけてはトランプ氏が新たな外交の動きをみせることが予想される。再び市場の話題となりそうだ。
この後の海外市場で発表される経済指標は、ドイツ消費者物価指数・確報値(11月)、トルコ雇用統計(10月)、南アSACCI景況感指数(11月)、南ア製造業生産高(10月)、米非農業部門労働生産性指数・確報値(第3四半期)、米単位労働費用(第3四半期)など。
発言イベント関連ではブラックアウト期間のため主要な米欧金融当局者の発言が手控えられる。米3年債入札(580億ドル)が実施される程度の予定だ。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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