円安・ドル安の動き 中国の金融緩和や積極財政支援の方針で ドル円は一時150円台半ば=ロンドン為替概況
円安・ドル安の動き 中国の金融緩和や積極財政支援の方針で ドル円は一時150円台半ば=ロンドン為替概況
ロンドン市場では、円安・ドル安の動きが広がっている。中国共産党の中央政治局会議で来年はより積極的な財政政策を実施、適度の緩和的な金融政策を実施、などと表明したことが好感されている。為替市場ではリスク選好の反応をみせてドル円は149円台後半から150円台半ばへ、ユーロ円は158円付近から159円台乗せへ、ユーロドルは1.05台前半から後半へと買われている。なかでも、中国動向やリスク動向に敏感な豪ドルが大きく買われ、対ドルで0.63台後半から0.64台半ばへ、対円で95円台後半から97円台乗せまで上昇している。足元でも目立った調整の動きはみられていない。ただ、欧州株には先週までの連騰疲れもあるようで、序盤の上げ幅を縮小、もしくは下げに転じる動きなどがみられている。米株先物・時間外取引でもダウ先物は上昇も、S&P500とナスダックはマイナス圏で推移している。仏政治情勢の対するフランス債の動きは落ち着いているが、政情不安以前の水準には戻し切れていない。新たにシリア情勢に変化もあり、韓国も含めて世界的に政治が不安定な状況となっている。リスク警戒ムードのなかで、中国の報道は朗報だったようだ。
ドル円は150円台前半での取引。東京では一時149.69近辺に下値を広げる場面があった。朝方に発表された日本の実質GDPが上方改定されたことで12月利上げ観測が円買いを誘う面があったようだ。しかし、すぐに150円付近へと値を戻した。ロンドン朝方には中国が来年の積極財政政策や適度の緩和的な金融政策などと表明。市場はこれを好感して円売りの動きを強めた。ドル円は150.52近辺まで買われ、足元でも高止まりとなっている。
ユーロドルは1.05台後半での取引。東京市場では1.0570付近から一時1.0532近辺まで下押しされた。しかし、ロンドン時間に入るとドル売り圧力が広がり、高値を1.0585近辺まで伸ばしている。中国の景気刺激策の報道を受けて豪ドル/ドルが大きく買われており、ドル売り圧力を広げた。ユーロ円も157.87近辺を安値に159.27近辺まで買われている。ドル安とともに円安の動きも広がっている。対ポンドではややユーロは軟調。ポンドと比較するとリスク動向に対する反応は鈍いようだ。
ポンドドルは1.27台後半での取引。ロンドン早朝の安値1.2717近辺からロンドン序盤には1.2783近辺まで買われた。その後も高値付近で推移している。ポンド円は190.61近辺を安値に192.35近辺まで高値を伸ばした。ユーロポンドは0.8298近辺から0.8272近辺へと軟調に推移している。ユーロと比較するとリスク選好に対する反応が敏感となっている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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