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ISM受けてリスク回避が広がる ドル高・円高にドル円は145円台に下落=NY為替概況

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ISM受けてリスク回避が広がる ドル高・円高にドル円は145円台に下落=NY為替概況

 きょうのNY市場はリスク回避の雰囲気が広がり、為替市場はドル高・円高の動きが見られた。そのような中でドル円は一時145円台前半まで下落する場面も見られた。この日発表のISM製造業景気指数が前回から改善はしたものの引き続き米製造業の低迷を示唆したことに市場は敏感に反応。今週は金曜日に米雇用統計が発表されるが、予想を下回れば8月同様の反応になるのではとの警戒感も出ていたようだ。

 ドル自体は8月の最安値から回復を続けているが、今後数四半期にFRBが他のG10中銀よりも積極的な利下げを行うと見ているため、ドル高には限界があるとの見方も市場では根強い。FRBは今月のFOMCで利下げを開始し、以前のFOMCでの金利見通しで示したよりもさらに引き下げを示唆する可能性が高いという。今月のFOMCではFRB経済予測とFOMC委員の金利見通し(ドット・プロット)も公表される。

 経済予測では失業率上昇とインフレ低下の見通しが示され、これが利下げサイクル開始の根拠となるとの見方が出ている。一方、FOMC委員の金利見通しでは年内に3-4回の利下げ見通しに変更になる可能性もあるという。しかし、より広範な地政学上のリスク、中国経済の低迷継続、そしてドイツの低成長などによりドル安は限定的になるだろうとも語った。

 また、円高への期待も根強く「投資家はまだ最初の変化に直面したに過ぎず、日銀の利上げに伴い日本に還流する可能性がある膨大なジャパンマネーを市場は無視している」との指摘も出ていた。年内の日銀の利上げを見込む声は現段階では少ないようだが、早ければ来年1月に再び金利を引き上げるとの見方も海外勢中心にあるようだ。

 ユーロドルは売りが優勢となっており、一時1.10ドル台前半に下落する場面も見られた。しかし、1.10ドルの心理的節目は維持しており、いまのところ底堅さは堅持している模様。

 来週にECB理事会が控えているが、市場では0.25%ポイントの追加利下げを確実視している。一部からはECBが年内残りの期間も段階的な利下げペースを維持すると見ており、その場合ユーロドルは積極的な上値追いまではないものの、底堅く推移する可能性があるとの見方が出ている。ECBは6月に0.25%ポイントの利下げを実施した後、9月と12月に0.25%ポイントの利下げを実施すると見込んでいるという。

 これに対してFRBは間もなく利下げサイクルに着手し、年末までに計0.75-1.00%ポイントの利下げを行う可能性があり、その差がユーロドルを下支えするとしている。そのためユーロドルは1.10-1.15ドルの高い取引レンジに移行していると分析している。

 ポンドドルも戻り売りが続き、1.30ドル台に下落する場面が見られた。8月8日から27日までの上昇波のフィボナッチ38.2%戻しの水準が1.3035ドル付近に来ており、目先の下値メドとして意識される。その水準を割り込めば、50%戻しの水準が1.2965ドル付近にある。

 市場はFRBの9月利下げ開始を確実視しており、0.25%ポイントの通常利下げというシナリオが有力視されている状態だが、0.50%ポイントの大幅利下げのシナリオも30%程度の確率で見ており、可能性は低いが完全には排除していない。

 ストラテジストからは、もしFRBが大幅利下げを実施すれば、英中銀の9月利下げもあり得るとの見方が出ている。FRBの大幅利下げは、英中銀に今月を含めて年内に追加利下げを実施できるという自信を抱かせる可能性があるという。英中銀は11月に追加利下げというのが市場の大方のシナリオだが、9月の利下げの可能性を完全に排除すべきではないとしている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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