【本日の見通し】明日の日米中銀トップの発言待ち
【本日の見通し】明日の日米中銀トップの発言待ち
注目された昨日の米労働省労働統計局(BLS)の年次改定は、発表予定時刻より30分ほど遅れる中でドル円が146円75銭まで急騰して、145円台に戻すなどの荒っぽい動きを交えつつ、81.8万人という2009年以来の大幅下方修正を受けて一時ドル売りとなり、144円46銭を付けた。
底堅さが見られていた雇用市場の厳しい状況が示されたことで、9月の利下げ開始見通しが支えられる格好となったが、0.5%の大幅利下げについては、短期金利先物市場で36%程度の織り込みと、年次改定発表前よりは高いものの0.25%利下げの64%織り込みとは差がある状況となっており、思ったほど大幅利下げ機運が高まっているわけではないことから、安値を付けた後は145円台に戻すなど、ドル売りは一服となっている。
市場は明日の国会閉会中集中審議で答弁する植田総裁の発言と、ジャクソンホール会議で基調講演を行うパウエル議長の発言待ち。7月の利上げ後の株式、為替市場の混乱を受けて、植田総裁が今後の金融正常化に向けた姿勢をどのように説明するのか、米国の9月の利下げ開始がほぼ確実視される中で、利下げのペースがどのようなものになるのかのヒントが議長発言にあるのかなどがポイントとなりそう。
発言によっては大きくドル売り円買いが進む可能性があるが、逆もあるだけに、今日に関しては上下ともに動きにくさがある。昨日米労働省の発表が遅延する中で、1円超の振幅が見られたように、動き自体はかなり荒ぽくなっており、警戒感が必要。
流れは下方向も、明日の発言次第。今日は方向性のはっきりしない展開も、一時的な上下に注意。
ユーロドルは一時1.1170台を付けた。着実な上昇基調となっており、下がると買いが出る流れが継続。
ユーロ円はドル円同様にやや不安定な動き。163円前後の重さから、戻りでは売りが出る流れと見ている。
MINKABU PRESS 山岡和雅
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執筆者 : MINKABU PRESS
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