英財政に220億ポンドのブラックホール、新財務相が増税示唆か
リーブス英財務相はきょう、公的財政の強化を図る一連の措置を発表した。前保守党政権は220億ポンドに上る財政の「ブラックホール」を残したと非難、これを埋め合わせるため10月末に発表する予算案に増税を盛り込む可能性があると示唆した。
同財務相は、裕福な年金生活者向けの冬季燃料代給付の停止、成人向け社会福祉改革案の中止、一部の交通プロジェクトの撤回を議会で表明。「無い袖は振れない」と主張した。
保守党政権が財源の手当がなく、公表しないまま残した公的支出を数多く発見したとも主張。今年の難民管理関連費用で64億ポンドの予算超過が見込まれるほか、財源のない交通プロジェクトが16億ポンドあるなどと指摘した。
公的セクターの賃上げについては、90億ポンドの予算で独立した給与審査機関の勧告に従うと述べた。
議会での発言は10月30日に行う秋季財政報告で、増税の可能性に道を開く意図があると見られそうだ。労働党は国家財政の悲惨な状況について、責任を全て保守党に押しつけようとしている。
労働党は所得税や給与天引きの国民保険料、付加価値税(VAT)の引き上げを否定しており、同財務相もこれらが増税となる可能性は排除している。
執筆者 : MINKABU PRESS
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