ユーロの下げ一服も反発は限定的、独仏債利回り格差は引き続き拡大=ロンドン為替概況
ユーロの下げ一服も反発は限定的、独仏債利回り格差は引き続き拡大=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ユーロの下げが一服している。週末に仏極右勢力のルペン氏が「今月末の国民議会選挙で勝利した場合、マクロン大統領と協力する」「制度的な混乱を望んでいるわけではない」とコメントしたことが市場にやや安心感を与えたようだ。ただ、今月末の国民議会選の結果を確認するまでは仏政治情勢をめぐる不透明感は続く。きょうは独仏10年債利回り格差が一時81bpに拡大する場面があった。また、ユーロにとっては第1四半期ユーロ圏雇用コスト確報値が前年比+5.1%に上方修正され、前回第4四半期の+3.4%から上昇したことが買いを誘った面もあったようだ。レーンECBチーフエコノミストは「7月理事会では賃金圧力を背景としたサービス・インフレについて十分な情報得られず」と述べ、早期の追加利下げについて否定的な面を匂わせた。ユーロドルは1.07を挟んだ振幅、ユーロ円は168円割れ水準から168.90台へと上昇。対ポンドでもユーロ買いが優勢。ポンドドルは1.26台後半でやや上値重く推移。ポンド円は199円割れ目前まで下押しされたあと、199円台後半に買い戻されている。ドル円は157.10台から157.70付近へと上昇。欧州株は反発して取引を開始も、一時下げに転じるなど限定的な動き。
ドル円は157円台後半での取引。ロンドン朝方に157.16近辺に軟化も、その後は157.70近辺まで上昇。足元では高値付近で揉み合っている。植田日銀総裁が衆院決算行政監視委員会で発言したが、新味に欠ける内容だった。
ユーロドルは1.07台前半での取引。ロンドン朝方に1.0686近辺まで売られたあとは、反転して買われ1.0715近辺に高値を伸ばしている。ユーロ円はロンドン朝方に167.96近辺まで下押しされたあとは、168.94近辺に高値を伸ばした。ユーロは対ポンドでも買われており、全般に先週の下げが一服している。レーンECBチーフエコノミストが7月追加利下げに否定的な発言をしたことや、ユーロ圏労働コストが上昇したことなどが下支え。ただ、仏債への売り圧力は根強く残っている。
ポンドドルは1.06台後半での取引。東京早朝の1.2689近辺を高値に、ロンドン朝方からは上値が重くなった。ロンドン午前には1.259近辺に安値を広げている。ポンド円は東京朝方の199.91近辺を高値に、ロンドン朝方には199.07近辺まで一時下落。しかし、すぐに買い戻されて199円台後半で揉み合っている。ユーロポンドは0.8430付近の安値から0.8446近辺まで買われている。ポンド自体の材料は見られず、ユーロの買い戻しの面が強いようだ。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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