【これからの見通し】日銀は減額「方針」決定で円売り、植田総裁会見への海外勢反応や介入警戒感も念頭に
【これからの見通し】日銀は減額「方針」決定で円売り、植田総裁会見への海外勢反応や介入警戒感も念頭に
注目の日銀決定会合では次回7月の債券購入減額「方針」が決定された。つまり、今回は減額についての具体的な内容発表を見送ったことになる。今後、債券市場関係者との意見交換などを通して市場にショックを与えないような減額幅を決定することとなるようだ。一部で観測が広がった追加利上げについては遠のいた印象を与えている。
為替市場では円安の反応が広がっている。ドル円は158円台へと上昇している。クロス円も円安方向に進んでおり、円全面安だ。
このあと日本時間午後3時30分から開催される植田日銀総裁会見に目先の関心は集中している。植田総裁といえば、直近の会見で足元の円安の動きが基調インフレに影響しているかとの主旨の質問の、明確にNOと答えたことで、円安の動きを招いた経緯がある。日銀は為替相場を目標とせずとの原則論はあるのだが、市場との対話の面ではどうなのか。今回は国債購入減額とともに追加利上げについての質問も多く投げかけられそうだ。回答次第では、さらに円安が進行する可能性もあり、注意したい。
海外勢を中心に投機的とみられるようなスピードで円安が進行した場合、再び政府・日銀の為替介入への思惑も広がりそうだ。イエレン米財務長官の釘差しはあるものの、十分に連絡・意思疎通を取っていると自信をみせている神田財務官の采配はどうか。
この後の海外市場で発表される経済指標は、フランス消費者物価指数(確報)(5月)、ユーロ圏貿易収支(4月)、カナダ製造業売上高(4月)、カナダ卸売売上高(4月)、米輸入物価指数(5月)米輸出物価指数(5月)米ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)(6月)などが予定されている。6月の米ミシガン大指数・速報値が注目されよう。市場コンセンサス予想は72.0と前回の69.1からの上昇が見込まれている。米FOMC後のドル買いを後押しするのかどうかをチェックしたい。
発言イベント関連では、上記の植田日銀総裁会見のほかにも、バスレ・スロベニア中銀総裁、レーンECBチーフエコノミスト、シュナーベルECB理事、カザークス・ラトビア中銀総裁、ラガルドECB総裁、メスター・クリーブランド連銀総裁、グールズビー・シカゴ連銀総裁などの講演や経済会議出席が予定されている。ロンジン午前には、市場調査会社イプソス英インフレ態度調査(5月)が公表される。来週の英中銀金融政策についての参考となりそうだ。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。