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ドル円156円台に上昇 ただ、全体的にはドル売りの流れが続く=NY為替概況

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ドル円156円台に上昇 ただ、全体的にはドル売りの流れが続く=NY為替概況

 きょうのNY為替市場でドル円はここ数日上値を拒んでいた156円を突破し、ストップを巻き込んで156.25円付近まで上昇している。きょうの上げで160円台から151円台後半までの財務省による介入の下げの61.8%戻しの水準に到達した。

 NY連銀が4月の米消費者調査を公表し、米消費者の1年先のインフレ期待が3.3%に上昇したことが明らかとなった。1年先のインフレ期待は前回調査の3.0%から3.3%に上昇。昨年11月以来の高水準となった。3年先は2.9%から2.8%に低下した一方、5年先は2.6%から2.8%に上昇した。調査は1300世帯の持ち回りパネルに基づいている。

 1年先のインフレ期待は直近の米消費者物価指数(CPI)を反映するケースが多く、3月のCPIが粘り強いインフレを示唆していたことから、その内容がNY連銀の調査にも反映しているものと見られている。ただ、全体的には明日の生産者物価指数(PPI)、水曜日のCPI待ちの雰囲気ではある。 

 再び介入警戒が高まりそうな水準に入って来たが、イエレン米財務長官はインタビューで「為替介入は稀な行為である」との見解を繰り返しており、他国への伝達が必要とも述べていた。「G7通貨は市場で決定されるべき」としており、為替介入のハードルはかなり高いとの認識を示していた。

 ユーロドルは1.07ドル台に値を落としたものの、下押す動きまではなく、本日もリバウンド相場の流れを継続している。1.08ドル台に一時上昇し、本日1.0790ドル付近に来ている200日線を回復する動きが出ていた。明日の米生産者物価指数(PPI)や水曜日の米消費者物価指数(CPI)を受けて、大きな変化が出るか注目の展開が見られている。

 これまで低迷していたドイツ経済に対する信頼感が高まっていることもユーロドルのリバウンド相場を支えているとの指摘も出ている。足元のドイツの経済指標は弱い内容が続いているが、ドイツの株式市場は史上最高値を更新。米国はドイツにとって最も重要な貿易相手国で、米経済の好調がドイツ経済にもプラスに働くという期待が投資家を楽観的にしているという。

 ポンドドルは一時1.2570ドル付近まで上昇し、再び200日線を回復。先週の英中銀金融政策委員会(MPC)で6月利下げへの期待は一歩後退しているものの、まだその可能性はオープンとも見られているようだ。短期金融市場では8月までの利上げは確実視されているものの、6月については55%程度の確率で見ている状況。

 明日は4月分の英雇用統計が発表される。コンセンサス予想では、週平均賃金の伸びは小幅に鈍化すると見込まれている。ただ、4月からの国民生活賃金(最低限の生活を維持する賃金)の引き上げにより、データが予想を上回る可能性があるとの指摘も一部からは出ている。賃金が予想通り、もしくは上回れば、ポンドにとってはプラスになるという。

◆英雇用統計 14日15:00
・ILO失業率(1-3月)
予想 4.3% 前回 4.2%

・週平均賃金(1-3月)
予想 5.5% 前回 5.6%(前年比) 
予想 5.9% 前回 6.0%(除賞与・前年比)

・雇用者数増減(1-3月)
予想 -22.0万人 前回 -15.6万人(前年比) 

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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