【本日の見通し】１５５円意識の展開続く

【本日の見通し】１５５円意識の展開続く
　　
　先週末は中東情勢への警戒から一時１５３円５９銭までドル売り円買いとなった。その後中東情勢警戒が緩和したことで下げ分を解消、海外市場では高値圏での推移となった。
　中東情勢警戒は依然として続くが、イスラエル、イラン両国とも紛争拡大に慎重な姿勢を見せていること、今日からイスラエルがユダヤ教にとって重要な祝祭である過ぎ越しの祭り（ペサハ）の期間に入ることなどから、情勢が一服する可能性が高い。
　　
　ドル円は154円台での推移を中心に、節目の155円超えを意識する展開。先週末にいったん大きく下げたことで、ドル買いポジションの整理が進んだことなどから、上値トライが進みやすい地合いになっていると見られる。
　　
　155円前後にはオプション取引に絡んだ売りがあると見られ、その反動で超えるとストップロス注文が入っていると予想されている。大台を超えると一気の上昇もありうる。
　　
　ただ、上値には介入警戒感がある。G20の期間に米、韓との協議などを経て介入が入りやすい状況となっており、一気に上昇した局面では介入が入ってくる可能性がある。レートチェックなどの実弾を伴わない牽制も含めて注意したいところ。実際の介入が入ると、５円程度は押し下げる形になると見られるだけに、上値追いに慎重になる可能性もある。
　　
　ユーロドルは１．０６台での推移が見込まれる。１．０６００前後がしっかりしており、ドル高の中で下押しにやや慎重姿勢。
　　　
　ユーロ円はドル円の動きに準じるか。中東情勢警戒時はドル円以上に売りが出たこともあり、少し上値トライに慎重も、ドル円が１５５円を試す展開になると、ユーロ円もしっかりの動きが見込まれる。
　　
MINKABU PRESS 山岡和雅