ユーロ円は163.70円付近 今年のドイツGDPはほぼ停滞との見方=NY為替
きょうのユーロ円は日本の当局の口先介入の強化で、円高が強まり、一時163円台半ばに下落した。ただ、NY時間に入ると下げ渋る動きも見られ、163.70円付近で推移している。
エコノミストから、今年のドイツGDPはほぼ停滞との見方が出ている。ドイツ経済はパンデミック以前よりも生産高がほとんど上がらないという弱気局面に耐えているため、今年の成長率は従来予測を大幅に下回ると予測している。ドイツの5大経済研究所が共同で発表したGDP予測によると、今年の成長率は0.1%と、9月に発表された1.3%から下方修正された。来年の経済活動は回復するだろうが、それでも1.4%に留まり、以前予測されていた1.5%を下回るだろうとも述べている。
5大経済研究所の一角のIfoは「生産高は現在、パンデミック以前を辛うじて上回るレベルにあるが、それ以来ドイツの生産性は停滞している。過去最高水準に近い力強い労働市場と、2022年と2023年からの損失を補うはずの実質賃金上昇に支えられ、個人消費が上向くにつれて、景気は回復には向かうだろう」と述べている。また、キール世界経済研究所は「春から回復に向かうだろうが、全体的な勢いはそれほど強くないだろう」と述べた。
経済政策に対する不透明感が続いていることも、企業の設備投資の重荷となっており、来年も2017年の水準に留まる可能性が高いとも指摘。エコノミストたちは、憲法で大幅な財政赤字を出さないことが義務付けられているドイツの債務ブレーキについて、慎重な改革を提言している。パンデミックやウクライナ紛争のようなショックの後、政府は債務ブレーキの例外を通過させることが可能となったが、通常の赤字限度額へのリセットは徐々に行われるべきだという。同国の最高裁判所は昨年、経済のグリーン転換に向けた支出を含む、政府の予算計画は違憲であるとし、政府は連邦政府の支出を凍結した。
EUR/JPY 163.70 USD/JPY 151.36 EUR/USD 1.0823
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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