円買いとユーロ売りに、日銀早期マイナス金利解除とＥＣＢ６月利下げ開始の観測で ドル円一時１４６円台＝ロンドン為替概況

円買いとユーロ売りに、日銀早期マイナス金利解除とＥＣＢ６月利下げ開始の観測で　ドル円一時１４６円台＝ロンドン為替概況

　ロンドン市場は、円買いとユーロ売りが主導。ドル円は一時146円に下落した。時事通信が「日銀が国債買い入れ規模示す新たな量的金融政策枠組みを検討」と報じたことがきっかけ。市場では日銀が金融緩和の正常化を円滑に進めるため、ＹＣＣの見直しをすると受け止めているもよう。さらに、「日銀、３月マイナス金利解除に傾く」との関係者発言報道も円買いを加速させた。来週の春闘の結果がカギとなっているという。ユーロ売りはＥＣＢの早期利下げ観測が背景。ＥＣＢ理事会を終えてＥＣＢメンバーの発言が解禁となっている。仏中銀総裁が４月か６月の利下げ開始を示唆、一方、タカ派とされる独連銀総裁なども夏までの利下げ開始を声を揃えて示唆している。市場では６月利下げ開始の見方が有力になってきているようだ。ユーロドルは1.09台前半に反落。ユーロ円は円買いも加わって160円台後半まで下落している。一方、ポンドドルは買われて1.28台前半で高値を伸ばした。ポンド円は188円台半ばに下落も、対ユーロではポンド買いの動きだった。米雇用統計発表を控えたタイミングだが、かなり盛りだくさんの相場展開となっている。

　ドル円は147円付近での取引。東京市場では一時148.12近辺まで買われたが、一時147.53近辺と前日安値を更新する場面があった。ただ、その後は148円付近まで買い戻された。ロンドン時間には米雇用統計待ちの静かなムードで取引を開始。しかし、再び日銀関連の報道に円買いが強まっている。日銀が３月マイナス金利解除に傾くなどの報道を受けて146.88近辺まで急落、２月２日以来のドル安・円高水準となった。その後も、147円台前半までの小反発にとどまっている。

　ユーロドルは1.09台前半での取引。東京午前の1.0956近辺を高値にロンドン時間には1.0926近辺まで軟化している。ユーロ円は東京午前の162.17近辺を高値に、ロンドン時間には一気に160.62近辺まで急落した。対ポンドでもユーロ売りに押されている。ＥＣＢ理事会を終えて複数のＥＣＢ当局者らから発言が相次いだ。タカ派として知られるナーゲル独連銀総裁が夏休み前に利下げの可能性と発言していた。ハト派のビルロワデガロー仏中銀総裁は、４月か６月の利下げの可能性を示唆。その他メンバーらも利下げ開始に前向きな姿勢が多く、市場では６月利下げ開始が有力となっているようだ。

　ポンドドルは1.28台前半での取引。ロンドン朝方の1.2801近辺を安値に、1.2840近辺に高値を伸ばしている。ユーロドルとは逆方向の値動きだ。ポンド円は189.72近辺を高値に、ロンドン時間には188.39近辺まで下落した。ユーロポンドは0.8550付近を高値に0.8516近辺まで下落している。ポンドは対円では弱いものの、対ドルや対ユーロでは堅調に推移している。

minkabu PRESS編集部 松木秀明