【今週の注目材料】米PCEデフレータ、ISM製造業景気指数など
【今週の注目材料】米PCEデフレータ、ISM製造業景気指数など
今週は比較的注目度の高い米指標発表予定が並んでいます。
まずは2月28日の米第4四半期GDP改定値。
1月25日に発表された米第4四半期GDP速報値は前期比年率+3.3%となりました。
第3四半期の+4.9%からは鈍化も、市場予想の+2.0%を大きく上回っています。
個人消費が+2.8%と市場予想の+2.5%を上回り全体をけん引しました。
ホリデー需要がかなり高く、
レクリエーショングッズ販売の好調さが、耐久財を押し上げて+4.6%
衣料品の好調さが、非耐久財を押し上げて+3.4%となり、財全体の+3.8%という高い伸びを支えました。
サービス部門もフードサービス、レクリエーションサービスの伸びが目立っており、
ホリデー需要によって個人消費が押し上げられた形となりました。
2023年通年で-10.7%と厳しい数字を示した住宅投資は、+1.1%と第3四半期の+6.7%からは鈍化もプラス圏です。
戸建ての伸びが全体を支えており、家計の消費意欲を意識させています。
企業の設備投資は+1.9%と第3四半期の+1.4%から伸びました。ただ、第1四半期の+5.7%、第2四半期の+7.4%からみると厳しい伸びです。
研究開発費がマイナスとなるなど、今後への警戒感の生じる結果となっています。
今回の改定値では速報値と同水準が見込まれています。
個人消費の堅調さが全体を支えると見られています。
2月16日に発表された12月の企業在庫が、10月、11月のマイナス圏から12月は+0.4%と回復。
GDP算出に利用される自動車を除く小売在庫は、11月の-0.9%から+0.4%となっています。
GDPでの在庫投資は、速報時点で+0.1%の寄与度と、第3四半期の+1.3%から伸びが鈍化していましたが、
改定値で回復を見せるようだと、GDP改定値全体を押し上げる可能性があります。
続いては2月29日発表の1月の米個人消費支出(PCE)です。市場予想は前年比+2.4%、コア前年比+2.8%となっています。12月は+2.6%と+2.9%となっており、共に伸びが鈍化見込みです。
共にピークを付けてから最も低い伸びが見込まれており、インフレターゲットである2.0%が近づいているという印象です。
既に13日に発表済みの同系統指標、1月の米消費者物価指数(CPI)は前年比+3.1%、コア前年比+3.9%でした。
市場予想は+2.9%と+3.7%となっており、ともに予想を上回る伸びとなりました。12月は+3.4%と+3.9%。
CPI全体は伸びが鈍化も、コア前年比は12月から横ばいとなっています。
ガソリン価格が12月の-1.9%から1月は-6.4%と大きく低下し、全体の伸び鈍化に寄与しました。
コア項目では、中古車が12月の-1.3%から-3.5%に低下しました。新車も+1.0%から+0.7%に伸びが鈍化しています。
CPI全体の36.2%、コア指数の45.4%を占める住居費は+6.0%と12月の+6.2%から伸び鈍化となっています。
しかし、医療サービスが12月の-0.5%から+0.6%となり、9カ月ぶりのプラス圏。
大きなマイナスが目立っていた航空運賃が-9.4%から-6.4%にマイナス幅を縮めており、全体の押し上げ要因となっています。
PCEデフレータも同様の状況が見込まれますが、CPIに比べると医療サービスが指標全体に占める割合がかなり高く、
CPI以上の伸びを見せる可能性があります。その場合、ドル高につながると見られます。
最後に1日発表の2月米ISM製造業景気指数です。
1月は市場予想の47.0を超え、49.1と12月の47.1から改善しました。
ただ好悪判断の境となる50を15カ月連続で下回っています。これはリーマンショック時を超え、2000年8月から2002年1月以来です。
内訳をみると新規受注が12月の47.0から52.5へ大きく改善、生産も49.9から50.4と50を超えてきています。
弱かったのは雇用で12月の47.5から47.1となっています。
今回の市場予想は49.1と1月と同水準です。雇用の強さから全体に改善が見られ、
50を超えてくるようだと、ドル高が一気に強まる可能性がありますので要注意です。
MINKABU PRESS 山岡和雅

執筆者 : MINKABU PRESS
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