ドル買い復活 米CPIが利上げ終了期待に水を差す ドル円は150円試す展開=NY為替概況
ドル買い復活 米CPIが利上げ終了期待に水を差す ドル円は150円試す展開=NY為替概況
きょうのNY為替市場、この日発表の9月の米消費者物価指数(CPI)が、インフレ鈍化が期待したほど進んでいないことを示唆したことから、為替市場ではドル買いの反応が強まっている。米国債利回りも上昇。そのような中でドル円もNY時間に入ってじり高の展開を見せ、149円台後半まで上昇し、再び150円を試しそうな展開を見せている。
今週のFRB高官の慎重な発言や前日のFOMC議事録から、市場ではFRBの利上げサイクル終了観測が広がっていたが、今回の米CPIはその期待に水を差す結果となった。
市場が再び追加利上げ期待を高めるか注目されるところではあるが、短期金融市場では年内の追加利上げの確率を35%程度で見ている。11月は据え置きを有力視しているものの、12月の見方は割れている状況。
米CPIを受けて、FRBの高官がどのような発言をしてくるか注目される。
ユーロドルは戻り売りに押され、1.05ドル台前半まで下落。再び21日線を下回る展開が見られている。10月に入ってからの上げのフィボナッチ61.8%戻しが1.0520ドル付近に来ており、目先の下値メドとして意識される。
本日は9月理事会分のECB議事録が公表されていた。0.25%ポイントの追加利上げを決定した理事会ではあったが、拮抗した判断と認識していたことが明らかとなった。理事らは「引き締め過ぎ」と「引き締め不足」の両リスクはより均衡したと判断していた。
ただし、その後の理事たちの発言の変化を見ると、今回の議事録は大きなガイダンスにはならないとの指摘も出ている。
ポンドドルも戻り売りに押されている。1.21ドル台まで下落しており、再び21日線を下回る展開。10月に入ってからの上げのフィボナッチ61.8%戻しが1.2150ドル付近に来ており、目先の下値メドとして意識される。
きょうは8月の英月次GDPが公表されていたが、前月比0.2%のプラス成長となっていた。一方、前回7月分は0.6%のマイナス成長に下方修正された。
ただ、8月の回復にもかかわらず、第3四半期はマイナス成長との見方は根強い。直近の活動に関する指標が9月の再縮小を示唆しているという。第3四半期の景気がマイナス成長のならないためには、9月が前月比0.2%超のプラス成長である必要がある。しかし、現時点では0.1-0.2%のマイナス成長の可能性が高く、その結果、第3四半期は0.2%のマイナス成長に陥る可能性が高いという。
*英月次GDP(8月)15:00
結果 0.2%
予想 0.1% 前回 -0.6%(-0.5%から修正)(前月比)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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