ドル売り優勢、米債利回りの上昇一服で ドル円は149円付近で売買交錯=ロンドン為替概況
ドル売り優勢、米債利回りの上昇一服で ドル円は149円付近で売買交錯=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル売りが優勢。米債利回りの上昇が一服したことに反応している。序盤にかけてはややドル買いの動きがみられた。米10年債利回りが4.88%付近へと上昇したことで、ユーロドルは1.0450付近、ポンドドルは1.2037近辺に安値を広げた。しかし、米10年債利回りの上昇は一服、4.78%台に下げている。この動きとともにドル売りに流れが転換、ユーロドルは1.0510台、ポンドドルは1.2140付近に高値を伸ばした。ただ、米債利回りは米指標結果に左右されやすいことから、このあとの米ADP雇用統計などの発表を控えてドル売りにも不透明感がある。ドル円は149円付近で売買が交錯している。前日の介入と思われる急速な下落とその後の反発を受けて短期的には方向感を失っているようだ。東京昼前につけた149.30付近を高値に、ロンドン朝方には148.74近辺まで下押し。その後は149円を挟んだ水準で揉み合っている。この日発表されたユーロ圏と英国の非製造業PMI確報値では英国の上方改定が大きかったことでポンド買い・ユーロ売りの動きもみられた。また、ラガルドECB総裁は「ECBの十分に景気抑制的な金利スタンスを繰り返し強調」、センテノ・ポルトガル中銀総裁は「インフレ率は上昇時よりも急速に低下している」、ベイリー英中銀総裁は「インフレとの闘いの仕事は終わっていない」「英インフレ率、年内に5%以下に低下の可能性」などと発言した。
ドル円は149円付近での取引。前日に米JOLTS求人件数の上振れ後に150.16近辺まで買われたあと、一気に147円台前半まで急落。その後149円台へと戻した経緯がある。市場では介入との見方が広がっているが、当局者らはノーコメントの姿勢を貫いている。きょうは東京昼前につけた149.32近辺を高値に、ロンドン朝方につけた148.74近辺を安値に、レンジ取引が続いている。
ユーロドルは1.05付近での取引。米債利回り動向に神経質な地合いが続いており、上昇局面ではドルが買われ1.0451近辺まで下落。その後低下局面に変化するとドルが売られて1.0510台へと高値を伸ばしている。ユーロ円は序盤に155.83近辺まで軟化したあとは156.77近辺まで買われた。ユーロドルの上昇に連れたほか、欧州株が反発したことが下支えとなったもよう。ただ、対ポンドではユーロ売りが優勢。ユーロ圏非製造業PMI確報値は48.7と速報値48.4から小幅の上方改定だった。
ポンドドルは1.21台前半での取引。序盤にかけて1.2037近辺まで下落したあとは上昇に転換、高値を1.2139近辺に更新した。ポンド円も179.57近辺まで下押しされたあとは、買いに転じると高値を181.02近辺まで伸ばした。ユーロポンドは0.8680台から0.8650付近まで一時軟化した。英非製造業PMI確報値は49.3と速報値47.2から大幅な上方改定となっており、ユーロ圏の小幅改定との対比がみられた。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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