【これからの見通し】ドル円145円台に高止まり、中国経済など悪材料多いが日銀の緩和継続姿勢が下支え
【これからの見通し】ドル円145円台に高止まり、中国経済など悪材料多いが日銀の緩和継続姿勢が下支え
ドル円相場はゆっくりと上値を試す動きとなっている。145円台に乗せてからは介入警戒感もあって一時ほどの勢いには欠けており、神経質な展開だ。
売買が交錯する一因には中国経済をめぐる悪材料が続々と出ている点が挙げられる。一連の経済統計が弱含んでおり、金融機関のアナリストらは中国成長見通しを引き下げてきている。フィッチは中国格付けの見直しも示唆。恒大に続いて碧桂園(カントリー・ガーデン)が一部社債の利払いができない状況となっており、デフォルト懸念がでている。中国政府がGDP発表を遅らせたことは記憶に新しいが、今度は若年層失業率を公表しないという。社会問題化に火をつけることが警戒されているようだ。資源価格低下圧力とともに、リスク回避面から豪ドル円やカナダ円が売られていることがドル円の重石となっている。
一方で、昨日の英賃金上昇加速に示されるように、主要国のインフレ2次波及が根強いことも市場で話題になっている。各国の債券が売られ、利回りは上昇。中央銀行の政策金利引き下げ観測は後退。ターミナルレート水準の見通しは上昇。目先では9月会合で英中銀は25bp利上げが短期金融市場の織り込まれている。ECBについても利上げ観測が再燃している。先ほど発表された7月英消費者物価指数でも、前年比、コア前年比が市場予想を若干上回る結果だった。これに対して、日銀はYCC柔軟化以降、市場に緩和政策の長期化措置であることを印象付けることに成功した。145円台半ばに上昇するドル円相場について、昨日は鈴木財務相や神田財務官が定番の円安けん制発言を行ったが、円買い反応は一時的にとどまっていた。市場には、円売りに安心感が広がってもいるようだ。
上記の逆方向の圧力で、ドル円相場はしばらく145円台に滞留しそうな気配になっている。
この後の海外市場で発表される経済指標は、ユーロ圏実質GDP改定値(2023年 第2四半期)、ユーロ圏鉱工業生産指数(6月)、南ア小売売上高(6月)、米MBA住宅ローン申請指数(08/05 - 08/11)、カナダ住宅着工件数(7月)、カナダ卸売売上高(6月)、米住宅着工件数(7月)、米鉱工業生産指数(7月)など。
発言イベント関連では、米週間石油在庫統計の発表、米FOMC議事録(7月25日-26日開催分)の公表、シスコ・システムズ、ターゲットなどの米企業決算が予定されている。特に、米FOMC議事録でインフレ抑制姿勢が再び強調されるようだと日米金利差拡大観測が広がりこととなりそうだ。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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