ドル円は135円台前半まで下落 FOMC後にどちらに向かうか注目=NY為替前半
きょうもドル円は戻り売りに押され、135円台前半まで下げ幅を広げている。前日の米求人件数を受けて、米景気の先行き不安感が強まっており、為替市場はリスク回避の円高とドル売りが強まった。その流れが本日も続いている格好。ドル円は200日線から下放れの動きが出ており、本日結果発表のFOMCを受けて、どちらに向かうか注目される。
そのFOMCについては、0.25%ポイントの利上げの見方に変化はないものの、市場がヒントを欲しがっている6月以降については、利上げ期待を完全に後退させている。短期金融市場で6月利上げの可能性は5%程度となっている。先週までは15%程度はあった。
市場は今回で利上げが最後との見方を強めている。その意味では本日のFOMCの声明やパウエルFRB議長の会見が注目される。ただ、米雇用指標は今後鈍化が想定されるものの、インフレ指標に関してはまだ未知数の部分が多い。今回は先行きについてオープンにして置く可能性も留意される。
FOMCの結果発表は日本時間4日午前3時、パウエル議長の会見は3時半から始まる。
ユーロドルは1.10ドル台を回復。本日の上げで21日線がサポートされており、上昇トレンドはしっかりと維持されている。目先は直近高値の1.1095ドルを突破し、1.11ドル台を回復できるか注目される。
ユーロドルはこの半年でパリティ(1.00ドル)割れから1.10ドル台まで上昇し、想定されていたことではあるが、予想以上に早く上昇しているとの指摘が出ている。その要因としては、欧州経済がウクライナ侵攻によるエネルギーショックの影響を脱しつつあることを挙げている。
また、欧州の成長見通しと米利上げモメンタムの鈍化に市場が適応しつつあることも反映。ドイツ債と米国債の利回り格差が縮小していることも追い風となっているという。
ポンドドルは1.25ドル台を回復している。本日の上げで21日線がサポートされており、上昇トレンドはしっかりと維持されている。今週は英特有の材料がないため、ポンドは外部要因に左右される可能性が高い。ただ、その中でもポンドは底堅く推移するとの指摘も出ている。本日のFOMCはポンドドル相場に大きな影響は与えない可能性があり、市場の想定通りにFRBが0.25%ポイントの利上げを実施したとしても、それが最後の利上げになる可能性もあり、ポンドドルには追い風になるという。
一方、今週はECB理事会も予定されているが、対ユーロでもポンドはしっかりとした値動きを維持する可能性があるという。ECBも利上げ実施が確実視されているが、タカ派が期待している0.50%ポイントの大幅利上げではなく、0.25%ポイントの利上げの可能性のほうが高いためだという。
ただ、ECBは利上げ停止など、現状でハト派に転じることはないとの見方が有力となっている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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