根強いドル買いの動き、米１０年債利回りは昨年１１月以来の４％超に＝ロンドン為替概況

根強いドル買いの動き、米１０年債利回りは昨年１１月以来の４％超に＝ロンドン為替概況

　ロンドン市場は、根強いドル買いの動きがひろがっている。米１０年債利回りが一段と上昇している。４％の節目水準を上回ると、一時４．０４％と昨年１１月１０日以来の高水準となっている。２月以降の一連の米経済統計の強さが米利上げ継続の長期化観測につながっている。昨日のＮＹ市場ではＩＳＭ製造業景気指数の上昇に反応していた。ドル円は序盤に136.87近辺まで上昇、２月末高値に迫った。しかし、その後は136.20台まで失速、調整の動きに押された。足元では再び136円台後半へと上昇している。関係者発言として日銀はＹＣＣ修正の効果見極め、３月会合で現行緩和継続、と報じられた。一瞬の円売りのあとすぐに円買いが入るなど神経質な反応がみられていた。ユーロドルは軟調な流れ。ロンドン市場では安値を1.0610台へと広げている。ラガルドＥＣＢ総裁は３月利上げ後も引き締め継続が必要となる可能性を指摘した。また、２月ユーロ圏消費者物価速報ではコア前年比が＋５．６％と前回の＋５．３％から一段と上昇、過去最高水準を記録した。しかし、ユーロ買いよりもドル買いの動きがまさっている。ポンドドルは序盤に1.1956近辺まで下落したあと、いったん1.20台に反発も、すぐに1.19台後半に押し戻されている。英中銀の企業インフレ期待調査では、今後１年の物価引き上げ見通しがやや鈍化していた。ただ、ユーロ買い・ポンド売りなどの反応は限定的だった。対ポンドでもドル買い圧力が強かった。クロス円は上値重く推移。欧州株や米株先物が上値重く推移しており、ドル円とともに上値を抑えられている。ユーロ円は145.50台まで上昇したあと、一時145円台割れまで反落。ポンド円は164円手前まで小高く推移したあと、163.30付近まで反落した。

　ドル円は136円台後半での取引。東京朝方につけた136.02近辺を安値にその後は買いの流れが続いた。ロンドン朝方には米債利回り上昇とともに136.87近辺に高値を伸ばした。ただ、２月末高値136.92レベルに届かず、137円台はやや遠のいている。一時136.20台まで反落した。しかし、足元では再び136円台後半へと根強い買いが観測されている。

　ユーロドルは1.06台前半での取引。東京朝方につけた1.0673近辺を高値に、その後はドル高の動きが続いている。足元では1.0610台へと安値を広げてきている。ユーロ円はドル円とともに買いが先行し、ロンドン朝方に145.57近辺まで高値を伸ばした。その後は売り戻しが入り一時145円台割れ。足元では145円台前半で揉み合っている。対ポンドでは方向性に欠けている。ユーロ圏コアＣＰＩが前年比＋５．６％と過去最高水準を記録したが、ユーロ買い優勢にはなっていない。

　ポンドドルは1.19台後半での取引。東京朝方の1.2036近辺を高値に、その後は売り圧力が継続している。ロンドン朝方には1.1956近辺まで安値を広げた。その後、1.20台を回復する場面があったが、再び1.19台後半へと押されている。ポンド円は164円台手前へとじり高の動きだったが、ロンドン時間に入ると売りが優勢となり163.30付近まで下落した。足元では163円台半ば付近で売買が交錯している。ユーロポンドは0.88台半ばから後半での振幅と、方向性に欠けている。英中銀が企業インフレ期待調査を公表し、インフレ期待がやや低下していたが、目立ったポンド売り反応はみられず。ドル買い圧力に押された印象だった。

minkabu PRESS編集部 松木秀明