ダウ平均は400ドル超反落 米PPIやブラード発言でタカ派色強まる=米国株概況
NY株式16日(NY時間16:23)
ダウ平均 33696.85(-431.20 -1.26%)
S&P500 4090.41(-57.19 -1.38%)
ナスダック 11855.84(-214.75 -1.78%)
CME日経平均先物 27505(大証終比:-165 -0.60%)
きょうのNY株式市場でダウ平均は400ドル超の反落。取引開始前に発表になった1月の米生産者物価指数(PPI)が予想以上の上昇となったことや、終盤になってタカ派として知られるブラード・セントルイス連銀総裁の発言が伝わり、「3月FOMCで0.50%ポイントの利上げ支持する可能性を排除しない」と述べたことが嫌気された。同総裁は前回のFOMCでは0.50%ポイント利上げを主張したことも明らかにしていた。
市場からは「今週のインフレ指標はインフレの粘りを示し、特に本日のPPIはFRBのインフレとの闘いは終わっていないことを示している」との見解も聞かれた。「投資家はインフレが多くの人が望むほど早く通常に戻るとは限らないことを認識すべきであり、それに伴ってボラティリティも高まる可能性がある」という。
ただ、中盤には前日のように買い戻しも出て、ダウ平均も下げ渋る場面が見られた。このところの強い米経済指標は粘り強いインフレを示唆しているものの、それと同時に米経済の底堅さも示されており、景気後退を回避できる可能性も示唆しているとの指摘もあるようだ。
幅広い銘柄に売りが広まり、IT・ハイテク株も下落する中でシスコシステムズ<CSCO>が決算を受け上昇。顧客企業の技術インフラへの支出が予想以上に持ちこたえていることを示した。
動画配信の受信機器やプラットホームを手掛けるロク<ROKU>も決算を受け大幅高。広告市場は回復しつつあり、事態は懸念されるほど悪くない可能性を示唆した。
カナダのeコマースのショッピファイ<SHOP>が決算を受け大幅安。第1四半期の見通しを嫌気した模様。売上高は10%台後半の伸びを見込んでいるが、予想の20%を僅かに下回っていることが嫌気されたようだ。
クラウド通信APIのトゥイリオ<TWLO>が決算を受け大幅高。売上高は予想範囲内だったものの、1株損益は予想外の黒字だった。10億ドル自社株買いも承認。
バイオ薬品のシーゲン<SGEN>が決算を受け大幅高。売上高が予想を上回ったほか、1株損益の赤字も予想ほど拡大しなかった。
クラウドベースの通信ソリューションを手掛けるリングセントラル<RNG>が決算を受け大幅安。第1四半期、通期とも売上高が予想を下回る見通しを示した。サブスクリプションの売上高見通しが予想よりも弱かった。
宇宙旅行のヴァージン・ギャラクティック<SPCE>が4日続伸。アナリストが「同社のマザーシップがカリフォルニア州モハーベから離陸し、機器の改良から初のテスト飛行を行う可能性がある」と指摘した。
メディア大手のパラマウント・グローバル<PARA>が決算を受け下落。1株利益が予想を大きく下回ったほか、フリーキャッシュフロー(FCF)が予想外の赤字となった。
ボストン・ビア<SAM>が決算を受け大幅安。1株損益が予想外の赤字となった。通期のガイダンスも公表し、予想を下回る1株利益の見通しを示した。
シスコシステムズ<CSCO> 50.99(+2.54 +5.24%)
トゥイリオ<TWLO> 75.45(+9.40 +14.23%)
ロク<ROKU> 70.57(+7.08 +11.15%)
ショッピファイ<SHOP> 44.91(-8.48 -15.88%)
シージェン<SGEN> 160.91(+18.86 +13.28%)
リングセントラル<RNG> 37.07(-11.34 -23.42%)
ヴァージン・ギャラクティック<SPCE> 5.98(-0.03 -0.50%)
パラマウント<PARA> 23.50(-1.04 -4.24%)
ボストン・ビア<SAM> 335.01(-57.90 -14.74%)
アップル<AAPL> 153.71(-1.62 -1.04%)
マイクロソフト<MSFT> 262.15(-7.17 -2.66%)
アマゾン<AMZN> 98.15(-3.01 -2.98%)
アルファベットC<GOOG> 95.78(-1.32 -1.36%)
テスラ<TSLA> 202.04(-12.20 -5.69%)
メタ・プラットフォームズ<META> 172.44(-4.72 -2.66%)
AMD<AMD> 80.08(-5.10 -5.99%)
エヌビディア<NVDA> 220.02(-7.62 -3.35%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。