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為替相場まとめ12月19日から12月23日の週

為替 

 19日からの週は、円買いの動きが強まった。無風で通過するとみられた日銀決定会合でYCC変動幅拡大が発表されたことに、市場はサプライズの円買いを強めた。会合後の会見で黒田日銀総裁は、あくまでも市場機能の改善措置であることを強調し、利上げではないと主導した。しかし、市場では実質的な利上げだとの見方が広がった。ドル円は137円台から一時130.50台まで急落。クロス円も同様の大幅下落となった。週後半はクリスマスを控えていることもあり落ち着いた展開になった。ただ、ドル円の反発は一瞬の133円台乗せまでにとどまっており、根強い円買い圧力が残っている。クリスマス週とあって、円関連を除くと全般に取引動意は限定的だった。ユーロドルは1.06を挟む展開、ポンドドルは1.20-21台での取引が続いた。ドル指数はこのところの低下傾向が一服も、ドル高方向への動きも限定的だった。


(19日)
 東京市場は、ドル円が神経質に上下動。週末に共同通信が報じた岸田政権ができるだけ早期に実現としてきた日銀との共同声明を改正する方針を固めたとの報道を受けて、従来の日銀の緩和姿勢が後退するとの期待が広がった。ドル円は135円台後半に値を下げて取引を開始したあと、いったん136.60付近まで反発も再び135.77レベルまで下落した。その後、松野官房長官が定例会見で共同声明を改正する方針を固めた事実はないと否定、ドル円は再び136円台乗せに。ユーロ円も振幅、144円台後半から143円台後半へ下落したあと、午後には再び144円台後半に戻した。ユーロドルは1.0582レベルと先週末安値を下回ったが、1.06台へと買い戻された。
 
 ロンドン市場は、ドル売りが先行も続かず。ドル円は136円台割れから一時135.76近辺に安値を広げたが、その後は欧州株が堅調なことや米債利回りが小幅上昇したことなどを受けて136円台前半へと買い戻されている。ユーロドルは上に往って来い。1.06手前から1.0658近辺まで高値を伸ばしたあとは、1.0610付近に押し戻されている。独Ifo景況感指数が予想を上回る改善となり、Ifoエコノミストも本日のデータで景気後退の可能性が低下と高評価だった。ただ、対ポンドでの売りが入るなどユーロ買いは続かず。ポンドドルも1.21台後半から1.2242近辺まで買われたあとは、再び1.22台割れと振幅。対ユーロでの買い戻しが入った分、やや底堅く推移している。ユーロ円は144円台後半での推移。ポンド円は165円台後半から166円台前半へと小高い。全般的には目立った方向性は見いだせず、先週末の値動きに対する調整の動きが中心だったようだ。

 NY市場では、ドル円の値動きに収束感がみられた。東京、ロンドン市場と振幅がみられたが、21日線137.60付近と200日線135.65付近の間での推移にとどまっている。クリスマス休暇に向けて次第に収束感が強まっている面もある。次のアクション待ちといった雰囲気。ユーロドルはロンドン時間に1.0660近辺まで上昇したものの、一時1.05台に伸び悩む展開。先週のFOMCやECB理事会を通過して、ユーロドルは次第に上値が重くなって来ている雰囲気はあるものの、1.06ドルの水準は維持しており、11月からのリバウンド相場は継続。ポンドドルも1.21ドル台前半に一時下落。21日線が1.2145付近に来ており、その水準を下抜ける場面もみられた。

(20日)
 東京市場は、急激な円高の動きがみられた。無風が見込まれていた日銀金融政策決定会合で、長期金利の変動幅を従来のプラスマイナス0.25%から0.5%に拡大すると発表したことが背景。サプライズな結果にドル円は137円台から133.10付近まで急落した。クロス円でも軒並み円高が進行、ユーロ円は145円台後半から140円台まで、ポンド円は167円台から160円台まで急落した。ユーロドルやポンドドルもクロス円急落で上値を抑えられている。日銀は臨時オペを実施、10年超-25年の1000億円買い入れなどとともに、1-3、3-5年の指値オペを実施した。買い入れオペ(緩和政策)を行うことで、事実上の利上げとなる変動幅拡大との調整を図った形。声明で追加緩和姿勢が示されるなど、市場のインパクトを軽減する姿勢を示していたが、市場は変動幅拡大を強く見た格好。日本10年債利回りは一時0.45%台まで上昇した。

 ロンドン市場は、円買いが継続。ドル円は東京市場で137円台から133円台へと急落。ロンドン市場ではさらに132.00近辺まで下値を広げた。ユーロ円は140円台前半、ポンド円は160円台前半、豪ドル円は88円ちょうど付近まで安値を広げている。黒田日銀総裁は会見で、「今回の措置は利上げではない、市場機能改善による緩和効果波及のため」と強調したが、市場では実質利上げとの見方が優勢だった。また、急速な円高進行について、鈴木財務相や神田財務官からは具体的なコメントは差し控えられていた。円相場が主役だったことで、ユーロドルやポンドドルは方向感に欠ける振幅。ユーロドルは1.05台後半に下落したあと1.06台前半へと上昇。ポンドドルは1.20台後半に下落したあと、1.22付近まで反発した。米10年債利回りは3.58%付近から一時3.70%付近まで上昇したが、ロンドン時間には3.64-3.67%に落ち着いている。欧州株、米株先物は軟調も、下げ幅は限定的。

 NY市場で、ドル円は一時130円台半ばまで急落した。日銀が予想外のYCC変動幅拡大を発表した影響が続いている。きょうの決定会合での緩和政策修正は全く予想されていなかったことから、2016年1月にマイナス金利導入を決めて以来、間違いなく市場にとって最大のサプライズだった。市場からは、「今後、日本の企業や投資家からの自国へのレパトリ(資金回帰)の動きが例え緩やかだったとしても、来年の日銀の更なるタカ派措置に備え、円は今後買われる可能性がある」との声も出ている。本日の日銀をきっかけに昨年から続いていた上昇トレンドに大きな変曲点が訪れたとの声も。円相場主導の展開となるなかで、ユーロドルは1.06台での上下動、ポンドドルは1.21台での上下動に終始した。
 
(21日)
 東京市場は、ドル円の下落が一服。前日の大荒れ相場の翌日でややドル買い・円売りが入った。前日NY市場で130.58近辺まで下落したあと、131円台後半まで戻して東京市場を迎えた。日経平均はマイナス圏で取引を開始、一時300円近い下げとなったあと、プラス圏に浮上すると円売りの動きが加わった。ドル円は132.30付近まで上昇する場面があった。その後は132円を挟んで売買が交錯した。ユーロ円は前日海外市場で138円台まで下落したあとは139円台後半へと下げ渋った。東京市場では140円台半ば超えまで一時買われた。ユーロドルは1.06台前半から1.0600付近へと小安い。

 ロンドン市場は、前日の急速な円高の動きは一服。ただ、ドル円やクロス円は上値を抑えられている。ドル円はロンドン時間に入ると上値が重くなり131.50台まで再び軟化。その後は売買が交錯して131円後半へと落ち着いた。クロス円も同様に流れとなり、ロンドン時間には軟調も、前日安値には届かずとなっている。ユーロ円は140円台前半から139円台後半へ、ポンド円は161円手前から159円台後半へと軟化している。ポンドは対ユーロでも軟調。英国では医療関係者などのストの動きが報じられている。ポンドドルは1.21台後半から前半へと下落。ユーロドルは1.06台前半を離れず揉み合いに。総じて前日の日銀起因の円高は一服しており、クリスマス週の様子見ムードが広がっている。

 NY市場で、ドル円は132円台まで買い戻しが入った。クリスマス週で市場参加者も少なくなっている中、株高がドル円をサポートしていた。ただ、ドル円は前日の急落から下げ止まっているものの上値は重い印象。前日の日銀のサプライズ変更を受けてドル円は一時130円台半ばまで急落したが、急落の割には戻りが鈍い。一部からは、来年の円高期待を表しているとの見方も出ているようだ。NY市場では、クリスマス週の薄商い、米経済指標、そして今後の金融政策を見極めようとする心理が混在していた。ユーロドルは一時1.05台も大方は1.06台での推移。ポンドドルは上値の重い展開で、一時1.20台半ばまで下落した。

(22日)
 東京市場は、動意薄の展開。ドル円は午前に米債利回りの低下とともに132円台半ばから131.65近辺まで軟化。その後は132円付近まで下げ渋るも、大方は131円台後半で推移した。ユーロ円は午前に140円台割れまで沈んだあとは140円台を回復、午後は140.30付近に値動きが落ち着いた。ユーロドルはジリ高の展開で、午後には1.0649近辺に高値を伸ばした。

 ロンドン市場では、ややドル買いの動き。ドル円は132円台を回復。、値幅は限定的ながら下値しっかり感がみられる展開。ユーロドルは1.0650超え水準から1.0610台までユーロ安・ドル高の動き。米10年債利回りが3.63%近辺から3.65%台へと上昇、ドル買いを下支えした。ユーロ円は140.60台まで買われたあと、140.10台まで反落。総じて、値幅自体は限定的。クリスマスシーズンに入り取引自体が低調となっている。トルコ中銀は政策金利を9%で据え置いた。前回会合後に利下げサイクル終了の意向を示しており、据え置きは市場予想通り、相場への影響は限定的。

 NY市場は、ドル買いが優勢。ドル円は132円台を回復。第3四半期の米GDP確報値が上方修正されたことや、米新規失業保険申請件数が予想を下回ったことをきっけにドル買いの反応を見せた。また、米株式市場に再び売りが強まっており、ダウ平均が一時800ドル超下落する中、リスク回避のドル買いも見られた。 ただ、ドル円は日銀サプライズによる急落からの買い戻しが出ているものの、急落の割には戻りが鈍い印象もある。クリスマス休暇を前に市場参加者も少なくなる中、市場のモメンタムは低下しているようだ。 ユーロドルは1.05ドル台に値を落としたものの、下値を積極的に試す動きまでは見られてない。ポンドドルは瞬間的に1.20台を割り込む動きが見られた。

(23日)
 東京市場は、落ち着いた展開。ドル円は下値がしっかりとなり、132円台前半から後半へと上昇。午後には132.81近辺に高値を伸ばした。値幅自体は限定的。取引参加者がかなり少なくなっており、勢いに欠けた。昨日の米株安を受けて日本株だけでなくアジア株も売りがでているが、ドル円、クロス円はやや円売り。日銀会合後の調整がじりじりと出ている印象だった。ユーロ円は140円台前半から140.80台までの上昇。ユーロドルは1.06を挟んで揉絵だった方向性はみられず。豪ドル/ドルは0.66台後半で底堅く推移した。

 ロンドン市場は、落ち着いた取引が続いている。クリスマスの週末を控えて、ロンドン欧州勢には休暇を取っている参加者も多い模様。積極的な取引は手控えられている。ドル円は東京市場で実需の買いが入ったあとは、132円台後半での揉み合いが続いている。ロンドン序盤に下押しで132.50割れとなるも、その後は132.70付近まで底堅く推移している。ただ、133円台をうかがうほどの動意はみられていない。ユーロドルは1.0631近辺に高値を伸ばしたあとは一時1.06台割れ、その後は1.06台前半に落ち着いている。ポンドドルはやや騰勢が勝っており、1.2050割れから1.2082近辺へと小幅に高値を伸ばしている。欧州株や米株先物がおおむね堅調に推移。米10年債利回りは3.70%台へと小幅に上昇。クロス円はユーロ円が140円台後半での揉み合い、ポンド円が159円台後半から160円台乗せへと小高く推移している。この日は目立った英欧経済統計の発表や金融当局者の発言報道はなかった。

 NY市場ではきょうもドル円は買い戻しの流れが続き、一時133円台に上昇した。たた、上値が重く、日銀サプライズからの戻りが鈍い雰囲気に変化はない。クリスマス休暇を前に市場参加者も少なくなって来ている中、市場のモメンタムは低下していたようだ。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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