【これからの見通し】米FOMC議事録に今後の利上げペースや終着水準に対する見方を探る
【これからの見通し】米FOMC議事録に今後の利上げペースや終着水準に対する見方を探る
きょうは最新の米FOMC議事録(11月1-2日開催分)が公表される。事前のマーケットでは、次回12月の利上げ幅が50bpに縮小することが有力な見方となっている。現時点のCMEフェドウォッチでは50bpが75.8%、75bpが24.2%織り込まれている。4回連続での75bp利上げからの減速が見込まれている。
その一方で、利上げの終着水準(ターミナルレート)に対する見方に変化があるのかどうかもポイントとなる。直近の市場では、ブラード総裁など一連のタカ派メンバーの見通しに影響されて、ターミナルレートが5%を超えてくるとの見方が増えてきている。この点について11月初頭の段階でどのような議論がなされていたのか興味深い。議事録発表は日本時間24日午前4時の予定。
しかし、為替相場にはドルの相手先通貨の動向も絡んでくる。昨日のOECD経済見通しでは、世界の中銀が大幅な景気減速のときでも利上げを継続すべきとしていた。特にインフレ率の高いユーロ圏については政策金利を4%台へと引き上げるべきとの見解が示されており、市場の見通しより相当高い水準が示されていた。相対的にユーロが買われやすくなる可能性が指摘される。
また、きょうのNZ中銀金融政策会合では、想定されていたとはいえ過去最大の75bp利上げを発表している。75bpとともに100bp利上げも議論されたという。今後の利上げ継続の必要性についても言及されていた。市場が米FOMCの利上げ停止時期を視野に入れてきているなかで、その他諸国ではまだ先が見通せない状況もある点に留意しておきたい。
この後の海外市場で発表される経済指標は、フランス・ドイツ・ユーロ圏・英国・米国などの製造業及び非製造業PMI速報値(11月)、南アフリカ消費者物価指数(10月)、米MBA住宅ローン申請指数(11/12 - 11/18)、米新規失業保険申請件数(11/13 - 11/19)、米耐久財受注・速報値(10月)、米ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値(11月)、米新築住宅販売件数(10月)など。あすの米国市場が休場となることで、前倒し発表も散見される。
発言イベント関連では、上記の米FOMC議事録のほかにもデギンドスECB副総裁、デコス・スペイン中銀総裁、センテノ・ポルトガル中銀総裁などの講演、ピル英中銀チーフエコノミストの講演、ハント英財務相の議会証言などが予定されている。米週間石油在庫統計が発表される。米主要企業決算はディアなどが予定されている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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