ドル円一時138円台、米消費者物価指数伸び鈍化受けた売り圧力継続=ロンドン為替概況
ドル円一時138円台、米消費者物価指数伸び鈍化受けた売り圧力継続=ロンドン為替概況
ロンドン市場では、ドル円が再び急落している。東京市場で142円台半ばまで反発したあとは、再び売りが強まっている。前日安値140.20付近を割り込むと、一気に売りが加速。139円台割れから138.78近辺まで安値を広げた。前日の米消費者物価指数の伸び鈍化を受けたドル売り圧力は幅広く観察されており、ユーロドルは1.0280近辺、ポンド円は1.1774近辺まで高値を伸ばしている。ただ、ドル円ほどのドル売りスピードはみられず、クロス円が急落。ユーロ円は144円台から一時142.57近辺、ポンド円は166円付近から一時163.07近辺まで下落した。売り一巡後は売買が交錯する神経質な展開となっている。米株先物や欧州株は引き続き堅調だが、上げ幅を縮めるなど週末を控えた調整の動きも散見される。このあとのNY市場はベテランズデーのため米債券市場は休場となる。前日からの勢いでドルは売られているが、やや手掛かり難の面もある。英第3四半期GDPは前期比-0.2%とマイナス成長に陥ったが、市場予想は上回った。欧州委の秋季経済予測では、来年の成長を大幅に下方修正してわずか0.3%とした。
ドル円は139円台後半での取引。ロンドン時間に入ると再び売りが強まっている。140.20近辺の前日安値を下回ると、140円台割れ、139円台割れから一時138.78近辺まで安値を広げた。クロス円も大幅下落となっており、円買いの動きが前面に押し出されている。蓄積した円売りポジションが一気に調整される格好となっている。ただ、売り一巡あとは140円付近へと反発するなど神経質な展開になっている。
ユーロドルは1.02台後半での取引。前日の上昇のあとの調整売りは限定的で、ロンドン時間には再び買われている。1.02台に乗せると、高値を1.0280近辺まで伸ばしている。ただ、ドル円の下げと比較すると値動きは緩やか。ユーロ円は144円台後半から一時142.57近辺まで下落した。その後は買戻しも入り、143円台まで戻している。対ポンドではユーロ買いが優勢。目立ったユーロ買い材料はみられず前日の動きに調整が入った格好。
ポンドドルは1.17台前半での取引。前日終盤の1.17台乗せのあと、いったん1.16台前半まで下げたが、ロンドン時間には再び買われている。一時1.1774近辺まで高値を更新した。ポンド円は166円付近が重くなると、ドル円の下落とともに一時163.07近辺まで下落した。その後は下げ一服となり164円付近に反発している。ユーロポンドは0.8720付近から0.8750台へと上昇。前日の下げを戻している。英GDPは前期比-0.2%となったが、市場予想ほどは落ち込まなかった。ただ、今後のマイナス成長の出発点との声もきかれた。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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