FX/為替「ドル/円、145円台前半のサポート巡る攻防」 外為トゥデイ 2022年11月9日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2022年11月9日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼8日(火)の為替相場
(1):独連銀総裁 追加利上げが必要と再表明
(2):ドル円146円台を割り込む
(3):NYダウ平均 一時500ドル超値上がり
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:145円台前半のサポートを維持できるか/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
8日(火)の為替相場
期間:8日(火)午前7時10分~9日(水)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):独連銀総裁 追加利上げが必要と再表明
独連銀のナーゲル総裁は「インフレ抑制のために追加利上げが必要」と改めて表明。「たとえ金融引き締めで経済成長が圧迫されたとしても、欧州中銀(ECB)が早すぎる時期に止めないよう、金融政策の正常化に全力を尽くす」と発言した。これより前には、デギンドスECB副総裁が「量的引き締め(QT)は遅かれ早かれ実施されるが、2023年には確実に開始される」との見解を示したことも伝わった。
(2):ドル円146円台を割り込む
米長期金利の低下を背景にドル/円が146円台を割り込んで下落。この日投票が始まった米中間選挙で与党・民主党が議会多数派の座を失い、政権と議会に「ねじれ」が生じることが確実視される中、財政支出の減少を見込んだ米債買いが強まり利回りが低下した。
(3):NYダウ平均 一時500ドル超値上がり
中間選挙後に米国の株価が上昇する傾向を先取りする形でNYダウ平均が一時500ドル超値上がりすると、リスク選好の豪ドル買い・円売りが強まった。しかし、その後は中国の新型コロナウイルス感染再拡大を受けた需要減少が意識されNY原油(WTI)が下げ幅を拡大したため、一転して豪ドル売り・円買いに傾いた。
8日(火)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:145円台前半のサポートを維持できるか
昨日のドル/円は終値ベースで約0.6%下落。米長期金利の低下を受けて一時145.31円前後まで下値を広げ10月27日以来の安値を付けた。この日投票が行われた米中間選挙で野党・共和党が下院を制し、政権と議会の「ねじれ」が生じることで、財政支出が抑えられるとの見方から米債買いが優勢となり利回りが低下した。
本日のドル/円は145円台前半のサポートを維持できるかが焦点となりそうだ。145円台前半は10月後半の調整局面で強いサポートになった水準だ。仮に10月27日安値の145.11円前後を割り込めば、直近レンジの下抜けによって一時的に下げが勢いを増す可能性もある。
明日には市場が注目する米10月消費者物価指数(CPI)が発表されることから下値模索の動きは強まりにくいと見るが、米中間選挙の開票経過などが突発的なドル売りを誘発しないか警戒しておきたい。
注目の経済指標:中国10月消費者物価指数
注目のイベント:米要人発言
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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