米FOMC後のドル高の動き継続、ドル円は148円台前半へ=ロンドン為替概況
米FOMC後のドル高の動き継続、ドル円は148円台前半へ=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル高の動きが継続している。昨日の米FOMCの後に強まったドル高の動きが、今日のロンドン時間にも再燃している。特に英金融政策委員会(MPC)を控えたポンドに対するドル買いが強まっている。ポンドドルは1.14付近から1.13台割れ、1.1235近辺まで下押しされている。ユーロドルも0.98台割れから0.9730近辺へ、豪ドル/ドルは0.63台後半から0.6280近辺へと下押しされている。米10年債利回りは4.12%付近から4.20%付近まで一段と上昇。ドル円も147円台前半から買われてロンドン時間には148.40台まで上昇している。ただ、ドル円の上昇ペースはやや鈍く、クロス円が全般に軟調な流れとなっている。ユーロ円は144円台前半へ、ポンド円は166円台後半へ、豪ドル円は93円台前半へと軟化。前日の米株大幅安を受けて、きょうのアジア株、欧州株も売り圧力に押されている。米株先物も時間外取引で続落している。パウエルFRB議長が利上げの終着水準を従来より高めとしたことが市場に不透明感を広げたようだ。この後の英中銀政策金利は75bp利上げが見込まれているが、成長やインフレ見通しなどが景気後退を招くリスクを示すことも想定されており、米国ほどのペースで今後の利上げが続くのか疑問の声もでているようだ。この日は、ノルウェー中銀が予想外の25bp利上げにとどめている。
ドル円は148円台前半での取引。前日の米FOMCをめぐって145円台後半に急落したあと、148円付近まで買われた経緯がある。アジア時間には147円台前半まで反落する場面があったが、ロンドン時間には再び買いが優勢になっている。米10年債利回りが4.12%付近から4.20%付近へ上昇する動きとともに、高値を148.43近辺に伸ばした。ただ、クロス円は全般に売りに押されており、株安の動きがドル円の上昇スピードを抑制しているようだ。
ユーロドルは0.97台半ばでの取引。前日のFOMCでは0.99台後半まで買われたあと、0.98付近へと下押しされていた。0.98台前半でのアジア時間の揉み合いを経て、ロンドン市場ではあらためて売りが強まっている。0.98台割れから0.9730近辺まで安値を広げた。ただ、対ポンドではユーロは買われている。ラガルドECB総裁は、FRBの動きに追随することできないと、その影響の波及を警戒していた。ナーゲル独連銀総裁のようにインフレ抑制のために一段の利上げが必要との意見も多いが、米国ほどのペースで利上げできるのかどうかは不透明。
ポンドドルは1.12台後半での取引。前日のFOMCでは1.15台乗せとなったあと1.14台割れへと下落した経緯がある。アジア時間にはおおむね1.14付近での揉み合いが続いたが、ロンドン時間に入ると売りが強まっている。1.13台割れから安値を1.1235近辺に広げた。10月英非製造業PMI確報値が速報値から上方改定され、ポンド売りが一服しているが、反発の動きは限定的。ポンド円は168円付近から一時166.70近辺まで下落。ユーロポンドは0.8610付近から0.8680付近まで上昇。全般にポンド売りが優勢。この後の英金融政策委員会では75bp利上げが市場に見込まれているが、成長・インフレ見通しが英経済の厳しい状況を示すものとみられ、今後の利上げペースが米国には及ばないとの見方があるようだ。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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