ダウ平均は伸び悩むも３００ドル超の上げ幅＝米国株後半

NY株式27日（NY時間15:31）
ダウ平均　　　32167.05（+327.94　+1.03%）
ナスダック　　　10832.75（-138.24　-1.26%）
CME日経平均先物　27125（大証終比：-175　-0.65%）

　ＮＹ時間の終盤に入ってダウ平均は伸び悩む動きを見せているものの、３００ドル超の上げ幅となっている。きょうのＮＹ株式市場でダウ平均は５日続伸。一時５００ドル超上昇した。

　きょうも米国債利回りが低下し、リスク選好の雰囲気が広がった。取引開始前に発表になった第３四半期の米ＧＤＰ速報値が予想を上回ったことも、ポジティブに捉えられている模様。インフレの進行を示唆する内容ではあるが、景気後退への懸念を和らげている。

　インフレについても若干良い知らせがあった。消費者行動の変化を反映して調整される生活費指標であるＧＤＰデフレータが４．１％と予想を大きく下回った。また、ＦＲＢが参照しているＰＣＥデフレータの総合指数も４．２％と第２四半期の７．３％から大きく低下した。インフレ低下を示すデータを探していた市場関係者に希望を与えたとの声も出ている。

　「この日のＧＤＰはリスク資産にとってゴルディロックス的な数字だった。これはインフレの最悪期が過ぎ去った可能性を示すもう一つのサインだ」との指摘も出ている。

　決算もメタ・プラットフォームズ＜META＞は冴えない決算で大幅安となっているものの、その他のキャタピラー＜CAT＞やマクドナルド＜MCD＞、メルク＜MRK＞は堅調な内容となっている。きょうの引け後にはアマゾン＜AMZN＞とアップル＜AAPL＞が発表を予定。ＩＴ・ハイテク株の決算は市場の期待通りに弱い内容となっているが、全体相場への波及は限定的となっている。

「ＶＡＮＳ」や「Ｔｈｅ Ｎｏｒｔｈ Ｆａｃｅ」などのブランドを所有するＶＦ＜VFC＞が決算を受け下落。通期の１株利益やキャッシュフローの見通しを下方修正した。

　半導体のウルフスピード＜WOLF＞が第１四半期の決算を受け大幅安。１株損益の赤字が予想以上だったほか、第２四半期は予想を下回る見通しを示した。

　サウスウエスト航空＜LUV＞が決算を受け上昇。売上高は予想範囲内だったものの、１株利益は予想を上回った。同社はコスト削減の圧力が来年にも及ぶと警告しながらも、法人営業の強化が奏功した。

　アリスタ・ネットワークス＜ANET＞が上昇。メタ・プラットフォームズ＜META＞が前日発表の決算で２０２３年に５～２０％増の３４０－３９０億ドルの設備投資を行うと表明した。市場からは、同社がその恩恵を受ける可能性があるとの指摘も出ている。

キャタピラー＜CAT＞　212.94（+15.98　+8.11%）
マクドナルド＜MCD＞　265.92（+9.31　+3.63%）
メルク＜MRK＞　100.19（+1.78　+1.81%）
サウスウエスト航空＜LUV＞　35.35（+0.98　+2.85%）
ＶＦ＜VFC＞　27.47（-0.75　-2.64%）
ウルフスピード＜WOLF＞　88.23（-18.21　-17.11%）
アリスタ＜ANET＞　119.03（+10.06　+9.23%）

アップル＜AAPL＞　145.32（-4.03　-2.70%）
マイクロソフト＜MSFT＞　227.62（-3.70　-1.60%）
アマゾン＜AMZN＞　111.44（-4.22　-3.65%）
アルファベットC＜GOOG＞　92.76（-2.07　-2.18%）
テスラ＜TSLA＞　226.18（+1.54　+0.68%）
メタ・プラットフォームズ＜META＞　98.52（-31.30　-24.11%）
ＡＭＤ＜AMD＞　59.03（-0.70　-1.17%）
エヌビディア＜NVDA＞　132.94（+3.98　+3.09%）
ツイッター＜TWTR＞　53.96（+0.61　+1.14%）

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美