【これからの見通し】日銀12月利上げは織り込み済みか、海外市場の反応を見極め
【これからの見通し】日銀12月利上げは織り込み済みか、海外市場の反応を見極め
東京午後にロイターが政府関係者の話として、日本銀行が12月に利上げに踏み切る公算が大きく、政府もこの判断を容認する見通しだと報じた。これを受け、ドル円相場は30銭程度の下落(円買い)の反応を示した。ただ、本日の安値を更新するほどの勢いはみられなかった。
植田日銀総裁が直近で「12月会合で利上げを議論する」と明言しており、利上げ自体はすでに市場に織り込まれている可能性もあるだろう。今回は「政府が容認する見通し」という点が新たな材料となっており、この後の海外市場での反応を見極めたい局面だ。
この後の海外市場で発表される経済指標は、スウェーデン消費者物価指数(CPI)(速報値)、スイス雇用統計(11月)、スイス製造業PMI(11月)、英建設業PMI(11月)、ユーロ圏小売売上高(10月)、ブラジル実質GDP(2025年 第3四半期)、ブラジル貿易収支(11月)、カナダIvey購買部協会指数(11月)などがある。
注目の米経済指標に関しては、チャレンジャー人員削減数(11月)、新規失業保険申請件数(11/23 - 11/29)、耐久財受注(確報値)(9月)、製造業新規受注(9月)などの発表が予定されている。昨日は米ADP雇用統計が3.2万人減と、予想レンジ(5万人減から5万人増)の下限近くで着地し、弱い労働市場の状況が浮き彫りとなった。足元のドル相場は売り一服となっているが、人員削減数や失業保険申請動向の結果次第では、再び「米債利回り低下・ドル売り」の構図が強まる可能性があり、注意しておきたい。
要人発言関連では、コッハー・オーストリア中銀総裁、マン英中銀委員、チポローネECB理事、レーンECBチーフエコノミスト、デギンドスECB副総裁、ボウマンFRB副議長などのイベント参加等が予定されている。ただ、ECBに関しては金融政策の現状維持でおおむね織り込み済みの感がある。なお、マン英中銀委員はウクライナ関連の会議出席、ボウマンFRB副議長は昼食会参加のため、ブラックアウト期間中となっている点に留意したい。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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