ポンド買い一服も高値圏は維持、全般にややドル高に傾く=ロンドン為替概況
ポンド買い一服も高値圏は維持、全般にややドル高に傾く=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ポンド買いが一服している。東京午後には一部報道で英財務相が所得税の最高税率引き下げを撤回すると伝わり、ポンドが急伸した。ポンドドルは1.11台割れ水準から一時1.1281近辺まで買われた。その後、実際に英財務相が撤回表明を行ったが、市場はポジション調整の売りに1.11台半ば付近まで反落。その後は1.12を挟んだ取引が続いており、先週末よりはポンド高水準を維持している。対円は160円台後半から163円台乗せとなった後は、ロンドン時間には162円台を中心とした振幅となっている。対ユーロでもポンド高水準は維持されている。ユーロドルは0.98を挟んだ上下動を繰り返す中で、一時0.9753近辺に下抜ける場面があった、再び0.9780付近に下げ渋り。ややドル買い方向に傾く動き。対ポンドでの売りが重石となった面も。一連のユーロ圏製造業PMI確報値は引き続き50割れ水準と冴えなかった。ドル円は東京昼過ぎに144.60台から145.30付近まで神経質に振幅した後は、レンジ内にとどまっている。ロンドン時間には底堅く推移しており、145円台前半に再び買われている。欧州銀の信用不安を受けて欧州株が軟調に推移しており、リスク警戒のドル高圧力の面も指摘される。
ドル円は145円台前半での取引。東京昼過ぎに145.30レベルまで一気に買われたあとは144.60台まで反落する振幅をみせた。その後は下値がしっかりとした値動きとなっている。ロンドン午前には145.20近辺へと再び買われている。ただ、145円台では政府・日銀の為替介入への思惑もあり、高値を広げる動きにはなっていない。
ユーロドルは0.97台後半での取引。東京市場からロンドン序盤にかけては0.9770台から0.9830付近での振幅が続いた。高値は東京午後につけた0.9835レベル。ポンドドルの急伸にやや反応した。その後はロンドン市場でも0.98を挟んだ取引が続いたが、次第に下押しの動きが優勢となり、安値を0.9753近辺に広げている。ただ、下値も堅く、0.97台後半で下げ一服に。ユーロ円はロンドン序盤に142.46近辺まで買われたあとは、141.50台まで反落、その後は141円台後半で推移している。方向性は希薄な値動き。対ポンドでは売りに押されており、ユーロ相場の上値を抑えている。ユーロ圏製造業PMI確報値は48.4と速報値48.5から微調整された。引き続き50割れと冴えない状況が続いている。また、欧州銀の信用不安を受けて欧州株が軟調に推移している。
ポンドドルは1.11台後半での取引。東京午後に1.1086レベルまで下値を広げたが、英財務相が所得税の最高税率引き下げを撤回するとの一部報道に反応して急伸。高値を1.1281レベルまで伸ばした。その後は、実際に英財務相が税率引き下げ撤回を表明したが、ポジション調整に押されて1.1150台まで反落。ロンドン時間には再び1.1240台まで買われるも、レンジ内にとどまる動き。水準的にはややポンド高水準は維持されている。ポンド円は160円台割れ水準から一気に163円台乗せまで買われたあと、ロンドン時間には162円台を中心に高止まりしている。ユーロポンドは0.88台割れから0.87台前半へと急落した後の戻りは0.87台後半まで。足元では再び0.87台前半へと軟化。ポンド買い圧力が依然として優勢。英10年債利回りは一時4%台割れと、低下の流れが続いている。
執筆者 : MINKABU PRESS
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