欧州エネルギー問題への警戒感が進み欧州通貨安に=東京為替概況
欧州エネルギー問題への警戒感が進み欧州通貨安に=東京為替概況
ドル円は朝方140円台半ばを超えるなど、週明けも堅調な動きを見せた。先週末に米国の積極的な利上げ期待などから上昇したドル円は、米雇用統計直後のドル買いに140円80銭前後を付けた後、いったん利益確定の売りに押され、140円割れをトライして、少し戻して週の取引を終えた。
週明けもドル高円安の流れが継続。利益確定の動きが一服し、ドル高基調に復する展開。週末のG7財務相・中央銀行総裁会議において、鈴木財務相は為替については自分も含め話が出なかったと発言しており、円売りにつながっている面も。
高値を付けた後、いったん調整もしっかりの展開。午後についてはユーロドルでのユーロ売りドル買いなども。
ユーロドルは前回付けた0.9901の安値を割り込み、20年ぶりの0.98台を付ける動きを見せている。欧州のエネルギー問題が重石に。先月末から3日間のメインテナンスに入り、当初は三日から再開予定となっていたロシアとドイツを結ぶ天然ガスパイプライン「ノルドストリーム1」について、ロシアはガス漏れがあるなどとして再開延期を2日に発表。金曜日NY市場午後の1.0030前後から0.9950割れまでのユーロ売りを誘った。
週末にロシア当局は不具合解消まで無期限に再開を延期すると発表。エネルギー問題への警戒感がさらに強まる形でユーロ売りが広がった。0.9930前後が重くなるなど、朝からユーロ売りが広がる展開。先月付けた直近安値0.9901を意識して、大台手前の買いが下値を支えていたが、午後に入って大台を割り込み、約20年ぶりの0.98台に。その後も売りが優勢になる展開。
欧州エネルギー問題への警戒感が欧州通貨全般に作用し、ポンドドル、ドルクローナなどでもドル買い欧州使売りに。ポンドに関してはこの後ロンドン時間に勝者が新首相となる保守党党首選の結果発表が予定されているが、トラス外相の勝利が濃厚で、すでに織り込み済みとして、それよりも欧州通貨売りの流れに乗った動きが優勢に。
朝は対円での買いが目立ったユーロ円は、その後のユーロ売りに上値を抑える展開となり、軟調。
MINKABU PRESS 山岡和雅
執筆者 : MINKABU PRESS
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