ドル売り優勢、欧州株など反発、リスク警戒の動き一服 ドル円138円台前半=ロンドン為替概況
ドル売り優勢、欧州株など反発、リスク警戒の動き一服 ドル円138円台前半=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル売りが優勢。欧州株や米株先物が堅調に推移しており、先週末のパウエルFRB議長講演を受けた株式市場の警戒感は一服している。リスク警戒のドル買いに巻き戻しが入る形となっている。ドル円は前日東京市場で139.00レベルの高値をつけたあとは上値重く推移。ロンドン序盤に138.60付近から138円台前半へと下押し、足元ではさらに138.05近辺へと安値を広げている。米債利回りが低下、10年債利回り3.10%付近から3.05%付近へと水準を下げている。ユーロドルはしばらく1.0000のパリティ付近で揉み合ったが、一気に1.0025近辺に上昇したあと、高値を1.0055近辺へと伸ばした。ポンドドルも1.17ちょうど付近から一時1.1760近辺まで上昇。しかし、その後は対ユーロでの売りもあって1.17台前半に押し戻されている。この日発表された一連のドイツ各州消費者物価指数は前年比が一段と上昇、一方でユーロ圏景況感は2か月連続での100割れと低迷した。英消費者信用残高は前年比6.9%増となったが、インフレの影響が色濃く出た可能性もあり、消費の強さを示したものかどうかは不透明。米大手金融機関からは来年初頭にはインフレが20%超となり、来年のマイナス成長の予想が伝えられている。クロス円は欧州株高を受けて円売りが先行したが、次第に上げを失う動きとなっている。ユーロ円は138円台での上下動、ポンド円は162円付近から162円台半ばで上に往って来い。
ドル円は138円台前半での取引。前日東京市場で139.00レベルまで買われたあとは売りに押される展開。ロンドン朝方の138.60付近から138円台前半へと軟化。さらに足元では138.05近辺へと下押しされている。米10年債利回りは3.10%付近から3.05%付近へと低下している。先週末のパウエルFRB議長講演を受けた株安の動きは一服しており、リスク警戒のドル買いに調整が入る形となっている。
ユーロドルは1.00台前半での取引。前日NY後半からの流れを受けてロンドン朝方には1.0000のパリティ付近での揉み合いで取引を開始。やや下押しされたあとは買いに転じると1.0020台へと上昇。その後はもう一段買われて1.0055レベルに高値を伸ばした。ユーロ円は138.20台へと小幅に下げたあとは、欧州株高とともに138.99近辺まで買われた。その後は138.50台へと反落している。対ポンドでのユーロ買いが下支えとなっている。一連の経済指標は高インフレと景況感の低下が示されたが、リスク警戒の動きは限定的。
ポンドドルは1.17台前半での取引。東京午後に1.17台割れとなったあとは底堅く推移。ロンドン序盤には1.1760近辺まで高値を伸ばした。しかし、対ユーロでのポンド売りが持ち込まれると1.17台前半に押し戻されている。ポンド円は上に往って来い。162円ちょうど付近から一時162.60近辺まで買われたあとは、162円台割れ水準へと反落している。ユーロポンドは0.8520付近に下げたあと、反転して買われ高値を0.8560台へと伸ばしている。米大手金融機関からは来年初頭に英インフレ率が20%超となり、来年の成長率はマイナスとなる見通しが報じられていた。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。