ユーロ売り主導、欧州エネルギー危機が意識されリスク回避の動きに=ロンドン為替概況
ユーロ売り主導、欧州エネルギー危機が意識されリスク回避の動きに=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ユーロ売り主導でリスク回避の動きが広がっている。週明けの欧州天然ガス価格が一時10%高となり、エネルギー危機が意識されている。欧州株や米株先物・時間外取引が大きく下落。独DAX指数は一時2%安、ダウ先物は300ドル超安と売りに押された。為替市場ではユーロやポンドが主導して下落。ユーロドルは1.00台半ばが重くなるとパリティ水準(1.0000)を下回り、7月14日以来の0.9990レベルまで下落した。ユーロ円は137円台後半から一時136.60付近まで下落。ポンドドルは1.18台前半から1.1780台へと下落。ポンド円は162円台前半から一時161.10台まで下落した。ドル円は米10年債利回りが2.94%に低下する動きとともに137円台割れから136.70近辺まで一時下落。ただ、足元ではドル円は137円台を回復、クロス円も全般に下げ渋っている。中国当局が不動産開発会社に対する支援策を計画と報じられたことで、豪ドル買いの反応がみられている。欧州株や米株先物は引き続きマイナス圏推移も、一段の下げの勢いは落ち着いている。
ドル円は137円付近での取引。東京市場で137.44レベルに高値を伸ばしたあとは、上値重く推移。ロンドン序盤には米債利回り低下、欧州株下落とともに136.70近辺まで下押しされる場面があった。ただ、その後は下げ渋りとなり137円台を回復している。米10年債利回りは一時2.94%付近まで低下したあと、2.98%付近へと下げ渋り。
ユーロドルは1.00台前半での取引。東京市場で1.0050付近の重さが確認されると、ロンドン序盤にかけて売りに押された。パリティ水準(1.0000)を割り込むと一時0.9990レベルまで下落した。パリティ割れは7月14日以来。ユーロ円は137円台後半から137円台を割り込むと、一時136.60近辺まで下落した。その後は137円台前半へと下げ渋っている。対ポンドではユーロ売りが先行したが、足元では落ち着いている。この日は週明けの欧州天然ガス価格の急騰がエネルギー危機への警戒感を強めている。
ポンドドルは1.18付近での取引。1.18台前半から1.18台を割り込むと、一時1.1780近辺まで下押しされた。その後は1.1820近辺まで反発も、再び上値を抑えられている。ポンド円は東京市場で162.50近辺まで買われたあとは、売りに転じている。ロンドン朝方に162円台割れとなり、安値を161.15近辺まで広げた。その後はドル円の反発とともに161円台後半へと下げ渋っている。ユーロポンドは0.8490近辺が重くなり、一時0.8470近辺まで下押しされたが、足元では下げ一服と比較的小動き。対ドルや対円ではユーロ相場に追随した値動きとなっている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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