ドル買い・円買いの圧力、米中地政学リスクを警戒 ドル円131円付近=ロンドン為替概況
ドル買い・円買いの圧力、米中地政学リスクを警戒 ドル円131円付近=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル買い・円買い圧力が根強い。ペロシ米下院議長の訪台報道が米中地政学リスクを高めていることが背景。先週からの米景気鈍化懸念とともにリスク警戒の動きを広げている。ドル円は東京午前に130.41レベルまで下落したあとは、下げ一服。ロンドン序盤には131.18近辺まで反発する場面があった。しかし、上値も重く131円ちょうど近辺から130円台後半で揉み合っている。ロンドン時間には円買いよりもドル買いの動きが目立っている。ユーロドルは1.02台後半から1.0216近辺まで、ポンドドルは1.2250付近から1.2186近辺まで下落した。豪中銀理事会で今後の利上げについてはデータ次第と方針を変更したことを受けて豪ドル売りが広がっており、ドル買いを後押しした面も。豪ドル/ドルは理事会後に0.70台を割り込むとロンドン序盤には0.6916近辺まで安値を広げた。欧州株や米株先物・時間外取引は軟調に推移しており、警戒ムードが広がっている。ユーロ円は東京市場からの下げが継続、ロンドン序盤には133.64近辺まで下落。ポンド円は159.45近辺、豪ドル円は90.52近辺に安値を広げた。先週末からイタリア債利回りが低下している。イタリア政局改善への期待が出ていることが背景。極右政党「イタリアの同胞」を中心とした連立政権樹立の動きが報じられている。同党はEUの財政規則に従うとしているようだ。ポンド相場は木曜日の英金融政策委員会を控えているが、ほとんど独自の値動きはみせていない。市場では0.5%利上げ観測が優勢で、保有債券の売却を開始する見込みとなっている。
ドル円は131円付近での取引。東京市場で131.75近辺から130.41近辺まで下落したあとは、下げ一服となっている。ロンドン序盤には131.18近辺まで買い戻しが入った。しかし、上値は重く、131円ちょうど付近から130円台後半での揉み合いが続いている。ペロシ米下院議長の訪台報道が米中の政治的・軍事的緊張リスクを高めている。
ユーロドルは1.02台前半での取引。1.02台後半での揉み合いを下放れると、ロンドン序盤には1.0216近辺まで安値を広げた。その後も1.02台前半で上値重く推移している。ユーロ円は東京市場で135円付近から134円手前まで下落したあと、ロンドン時間には再び売られて133.64近辺まで安値を広げた。その後は134円を挟んで売買が交錯している。対ポンドではユーロ買い先行も、その後は押し戻されている。イタリア債利回りの低下が続いており、イタリア政局の改善期待があるもよう。台湾に市場の目が集まるなかで、ウクライナ情勢や欧州景気後退懸念からやや関心が離れた面も。
ポンドドルは1.22台前半での取引。1.2250付近での揉み合いを下放れると、1.22台割れから1.2186近辺まで下落。その後は下げ渋りも1.22台前半までにとどまっている。ポンド円は東京市場で161円台割れから160円近辺へと下落。ロンドン序盤にはさらに159.45近辺まで下押しされた。ユーロポンドは0.8370台から0.84ちょうど近辺で上に往って来い。ポンド売り先行も、下げ渋る動き。木曜日に英金融政策委員会の結果発表を控えているが、ポンド独自の値動きはほとんど見られていない。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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