重要イベントを控え様子見が続く ドル円は136.65円付近=NY為替概況
きょうの為替市場はドルの戻り売りが続いており、ドル円も東京時間には一時135円台に下落する場面が見られた。しかし、円安が下値をサポートする形でNY時間にかけて136円台後半まで買い戻されている。
ただ、今週は重要イベントが目白押しの中で、その結果を見極めたい雰囲気も強い。特に27日水曜日にFOMCの結果が公表され注目される。過去40年間で最も高いインフレに直面する中、FRBは積極引き締めに動いており、今回も前回同様に0.75%ポイントの利上げとの見方が強い。今回はFOMCメンバーの金利見通しや経済予測の発表が無く、パウエルFRB議長の会見が手掛かりとなるが、FRBが9月も0.75%ポイントの利上げに傾いているかどうかのヒントを探りたいところのようだ。
また、28日木曜日には第2四半期の米GDP速報値も発表される。市場ではプラス成長が予想されているものの一部からは、第1四半期同様にマイナス成長との見方も出ている。その場合、テクニカル的な景気後退に陥ることになり警戒されている模様。
本日の21日線が136.80円付近に来ているが、現状はその付近での推移となっており、次の展開待ちの雰囲気も出ている。
ユーロドルはリバウンド相場の展開を続け、一時1.0255ドル付近まで上昇。ただ、ロシアのエネルギー大手ガスプロムがさらにノルドストリーム1の1基のタービンを停止し、ガスの流量を減少させると発表したことで、欧州天然ガス価格の上昇と伴にユーロドルは1.02ドル台前半に伸び悩んだ。本日の21日線は1.0245ドル付近に来ており、一時回復する場面が見られたものの、いまのところ跳ね返されている。
市場では、ECBが先週の理事会で、これまでのフォワードガイダンスを削除したことから、今後のユーロは経済指標に対してより敏感に反応する可能性があるとの声が出ている。先週末にユーロ圏PMI速報値が発表され弱い内容となっていたが、市場は不安定な反応を見せていた。ECBの新たな政策スタンス(データ依存、会合ごとのアプローチ)は、今後の政策に対する経済指標の影響が大きいことを意味している可能性があるという。市場は過度にECBの利上げ期待を高めており、その分、弱い指標をきっかけに、その期待が巻き返されやすい状況にあるという。ユーロドルは現在のボラティリティの高い環境で、再びパリティ(1.00ドル)を試すリスクがあるとしている。なお経済指標にみならず、ECB理事の発言も同様だという。
ポンドドルも買い戻しの流れが続き、一時1.2085ドル付近まで上昇。本日1.2010ドル付近に来ている21日線を回復して来ており、1.20ドル台を維持できるか注目される。
本日は英保守党党首選の候補者2人の討論会が行われる。それは両候補のスタンスを見極める絶好の機会を投資家に与えるかもしれないが、ポンドはほとんど動かないものと見られているようだ。スナク前財務相とトラス外相が現地時間の夜(日本時間26日早朝)に初のテレビ討論を行うが、ポンドに重大な影響を与えるには時期尚早であり、現状のままリスク選好に沿った動きが続くはずだという。なお、ポンドドルは現在の不安定な市場環境下では1.20ドルより上での持続的取引は難しい可能性もあるとしている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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