ドル売り広がる、ECBの大幅利上げ視野にユーロドルの上昇がけん引=ロンドン為替概況
ドル売り広がる、ECBの大幅利上げ視野にユーロドルの上昇がけん引=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル売りの動きが広がっている。先週後半の一連の米金融当局者発言で次回FOMC会合での1.00%利上げ観測が後退しており、0.75%利上げ見通しが有力となったことがドル安の背景。なかでも特にユーロドルの上昇が目立った。複数のECB関係者の発言として、木曜日のECB理事会では0.50%利上げが協議されると伝わったことがユーロ買いの動きを強めた。利上げ動向に関する市場の思惑の変化が、FOMCとECBで逆方向に働いていることがユーロ買い・ドル売りを強めた格好。ユーロドルは一時1.0269レベルと本日安値1.0120レベルから約150ポイント上昇、7月6日以来、2週間ぶりの高値水準をつけた。ラガルドECB総裁は、今週の理事会で分断化対策ツールの合意に向けた努力を加速させる、と述べた。豪中銀の追加利上げ観測が高い豪ドルも堅調。豪ドル/ドルは0.6903レベルまで高値を伸ばしている。ポンドドルは1.20台乗せから1.2040レベルへと高値を更新。この日発表された英ILO雇用統計は失業率が3.8%にとどまり、就業者数が29.6万人増と予想以上の回復をみせていた。ただ、対ユーロではポンドは軟調に推移している。ドル円は138円を割り込むと、137.50割れ水準へと安値を広げている。一方、クロス円は上昇しており、ドル円の下落ペースは比較的緩やか。
ドル円は137円台半ばでの取引。東京朝方につけた138.39レベルを高値に、その後は売られ続けている。ロンドン時間には138円付近が重くなり、137.40台へと安値を広げている。今日の高値からは1円近い下げ幅となっている。
ユーロドルは1.02台後半での取引。東京市場では1.01台前半でのもみ合いが続いたが、ロンドン時間に入ると買いが活気づいた。複数のECB関係者の発言として、木曜日のECB理事会では0.50%利上げが協議されると伝わったことに反応。1.02台乗せから高値を1.0269レベルに伸ばしている。ユーロ円も堅調。140円ちょうど付近から141.23レベルまで高値を伸ばした。対ポンドでもユーロ買いが優勢。
ポンドドルは1.20台前半での取引。1.19台前半から1.20台に乗せると高値を1.2040レベルまで伸ばした。ポンド円はユーロ円につれ高となり165円付近から165.60近辺まで買われたが、上値も重く165円台前半で売買が交錯している。ユーロポンドは0.8480付近から0.8540付近へと買われており、ポンドの上値を重くしている。この日発表された英ILO雇用統計は英労働市場が堅調なことを示したが、ポンド買いの勢いは強まらなかった。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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