ドル円が139円台乗せる、利益確定売りで売買交錯も=ロンドン為替概況
ドル円が139円台乗せる、利益確定売りで売買交錯も=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル円が139円台に乗せた。前日の米消費者物価指数が前年比+9.1%と予想以上に高い数字だったことで、市場には次回FOMCでの1.00%利上げ観測が高まっている。ロンドン時間にはイエレン米財務長官が、インフレ引き下げることがバイデン政権の最優先課題、FRBの物価抑制策を支持、と発言した。緩和継続姿勢を崩さない日銀との金融スタンスの差が拡大していることで、ドル円が急伸。ロンドン序盤には139.39レベルと1998年9月以来の高値水準をつけた。しかし、その後は欧州株や米株先物・時間外取引の下げ幅拡大などで上値を抑えられ138.60付近まで反落。一日で約2円の大幅上昇のあとで利益確定売りが交錯している。ただ、根強い買い意欲があり、再び139円台を回復してきている。クロス円も高値を伸ばしたあと、一服。ロンドン序盤は円相場主導の展開だった。ロンドン昼にかけてはドル買いの面も。ユーロドルは1.0050付近が重く1.0010付近へと再び軟化。ポンドドルは1.18台後半から1.1820付近へと下押しされている。イタリアではドラギ政権の連立パートナー「五つ星運動」が信任投票を棄権すると報じられており、政権基盤が崩れることが懸念されている。イタリア債が売られている。EUは今年と来年のGDP成長率予測を引き下げ、インフレ予測を引き上げている。英国では保守党党首を選出する期間の真っ最中で政治的な不透明感が払しょくされない状況。
ドル円は139円台前半での取引。前日の米消費者物価指数の発表後は買いの流れが続いている。東京市場での安値137.28レベルから、ロンドン序盤には139.39レベルまで高値を伸ばした。2円超の大幅上昇となった。その後は欧州株や米株先物・時間外取引の下落もあってドル円の上値が重くなり、一時138.60付近まで反落。しかし、下値での買い意欲は強く再び139円台に。
ユーロドルは1.00台前半での取引。ロンドン朝方の下押しは1.0005レベルまで。その後の反発は1.0050近辺までと限定的な動き。前日につけた安値0.9998レベルが下値ポイントになっている。ユーロ円はドル円とともに上昇。ロンドン序盤に高値139.77レベルをつけた。その後の下押しでは139円台を維持と底堅く推移している。対ポンドではややユーロ買いが優勢。ただ、イタリアの政情が不安定になっており、ユーロ買いを積極的に進める状況にもなっていないようだ。
ポンドドルは1.18台前半での取引。ロンドン朝方には売買が交錯。1.1820付近から1.1870付近で振幅した。足元ではややドル買いの動きに押されて安値を1.1816レベルまで広げている。ポンド円はドル円とともに上昇。序盤に高値を165.20近辺まで伸ばした。その後は買い一服となり、164.30付近まで一時反落。ユーロポンドはじり高の動き。0.8450付近から0.8470付近へとやや買われている。英国では保守党党首を選出する期間の真っ最中で政治的な不透明感が払しょくされない状況となっている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。