リスク回避ムード続く中、ユーロドルは一時1.0000レベルまで下落=ロンドン為替概況
リスク回避ムード続く中、ユーロドルは一時1.0000レベルまで下落=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、リスク回避ムードが広がっている。前日と同様に欧州株や米株先物が軟化し、米債利回りが低下している。ロシア産ガス供給の停止問題や中国の新型コロナBA.5の感染によるロックダウン警戒、米大幅利上げ観測などが引き続き重石になっている。為替市場ではドル高・円高圧力が優勢。そのなかで注目されたのがユーロドルの動向。1.00台前半からパリティ水準を目指す動きがみられた。この日発表された7月ドイツZEW景況感はマイナス53.8と予想以上に悪化した。この発表後にユーロドルはパリティ水準(1.0000)に達した。しかし、明確な下抜けには至らずその後は1.00台前半で売買が交錯している。ポンドドルはユーロドルに先行して下落、1.18割れ目前まで下落した。対ポンドではユーロ買いが優勢。また、円高の動きも広がっている。ドル円は137.50付近で上値を抑えられると136.75近辺まで反落。ユーロ円は138円付近が重く、137円ちょうど手前まで下落。ポンド円は163円挟みの水準から一時162円台割れまで下落した。円高の動きにはリスク警戒とともに、イエレン米財務長官が、「日米の金利差は極めて大きくなっており、ドル高傾向の構造的要因に」としながらも「最近の円安は金利差から想定されるものを上回っており、市場の投機的な動き」と述べたことも影響したようだ。
ドル円は136円台後半での取引。ロンドン朝方には137.50付近まで上昇したが、その後は売りに押されている。欧州株や米株先物が軟調、米債利回りが低下とリスク回避の動きが上値を抑えた。137円台を割り込むと、136.75レベルまで下押しされている。イエレン米財務長官が、「日米の金利差は極めて大きくなっており、ドル高傾向の構造的要因に」としながらも「最近の円安は金利差から想定されるものを上回っており、市場の投機的な動き」と述べたことに反応した面もあったようだ。
ユーロドルは1.00台前半での取引。1.00台前半からじり安の動きとなり、パリティ水準を目指す動きで取引開始。防戦買いも入るなかで、ようやく1.0000レベルまで下落した。しかし、その後はやや買い戻されており、依然としてパリティ付近には買いが残っているもよう。ユーロ円はリスク回避圧力もあって軟調。138円付近が重くなると売りに押されて137.03レベルまで安値を広げた。欧州株が軟調、独ZEW景況感の悪化などが上値を抑えた。対ポンドではユーロ買いの動き。対ドルでの防戦買いの影響のようだ。
ポンドドルは1.18台半ばでの取引。1.18台後半から軟調に推移し、安値を1.1807レベルまで広げた。その後はユーロドルの下げ渋りとともに1.18台半ばへと反発している。ポンド円は163円挟みの水準から売られ始め、161.94近辺まで安値を広げた。その後も162円台前半と上値重く推移している。ユーロポンドは0.8440付近から0.8470付近までじり高の動き。ユーロドルが明確に1.0000を割り込まなかったことが下支えとなっていた。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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