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為替相場まとめ6月6日から6月10日の週

為替 

 6日からの週は、円売りが先行。ドル円は週初の130円台から週後半には134円台に上昇。ここ2週間程度で約7円の急ピッチな上昇となった。クロス円も同様に円安の動きに押し上げられた。背景には日銀とその他主要中銀との金融政策スタンスの差が明確であることがある。黒田日銀総裁が何度か発言したが、いずれも従来からの強力な金融緩和策の継続を謳った。物価許容度について庶民感覚を逸脱する発言が物議をかもしたが、陳謝・撤回して収束している。一方で、月初にはカナダ中銀が0.5%ポイントの大幅利上げを実施。今週は豪中銀も市場予想を上回る0.5%ポイントの大幅利上げを実施した。注目のECB理事会では7月の0.25%ポイント利上げを明言し、9月についても0.5%ポイント利上げの可能性を否定しなかった。ただ、事前にタカ派の見方が浸透していたことで、発表後はユーロ高に対して調整が入った。各国中銀の金融引き締め姿勢を受けて、株式市場は圧迫されており、週後半には円安に調整が入った。米国では先週末の米雇用統計が予想を上回ったことで、利上げによるハードランディングの可能性が低下した。今週末の米消費者物価指数は前年比+8.6%、前月比+1.0%といずれも予想や前回値を上回る高い伸びだった。市場では米金融当局の大幅利上げ観測が広がるとともに、リスク回避の株安の反応がみられた。ドル高が進行するとともに、円安は一服した。クロス円が下落する一方で、ドル円は高止まり。

(6日)
 東京市場は、調整ムード。ドル円は先週末に発表された米雇用統計の好結果を受けて131円に迫る場面があった。週明けも底堅い展開となったが、131円手前では売りが残り、昼過ぎには130円台半ばを割り込む場面がみられた。その後は130.70台まで再び買われ堅調地合いを維持した。ユーロ円は140円を挟む上下動で方向性に欠けた。ユーロドルは1.07台前半での推移が続いた。この日は目立った経済指標の発表予定はなく手掛かりに欠けるなか、やや調整が入る動きとなった。

 ロンドン市場は、ポンド円主導で円安の動き。ポンド円は163円付近から一時164.45近辺まで上伸した。ユーロ円も連れ高となり140円挟みでの揉み合いから一時140.62近辺まで上昇。ただ、対ポンドでのユーロ売り圧力に140.10付近へと押し戻されている。ドル円は130.50付近から130.80付近での振幅と、東京市場でのレンジ内にとどまっている。ポンドドルは1.25付近から1.2577近辺まで上伸。ユーロドルは1.07台前半から一時1.0752レベルまで買われたが、再び1.0720台へと押し戻されている。きょうは目立った経済指標発表はなく、手掛かり難となっている。そのなかでは、英保守党議員によるジョンソン英首相の信任投票が実施されることとなったことが話題に。新型コロナ時期に度々開催されたパーティーについて首相の信任が問われる。日本時間7日午前2時の実施が予定されている。政治的混乱にようやく決着がつくとの見方がポンドの反発につながっているもよう。また、この日は黒田日銀総裁が強力な緩和姿勢の維持を再確認しており、木曜日にECB理事会を控えた週明けでもあって円が売られやすい面も加わった。

 NY市場では、ドル買いが強まった。ドル円は一時132円台まで上昇。年初来高値だった131.35近辺を上回った。米10年債利回りが節目の3%を上回り、ドル円をサポート。先週末の米雇用統計は強い内容となり、FRBの積極利上げ観測を追認する内容となった。市場の一部からは、FRBはリセッション(景気後退)に陥ることなく、積極利上げを遂行できるのではとの期待も。日銀に動く気配がない中、ドル円にとっては金融政策格差拡大と底堅い米景気という二重の追い風となっている。ユーロドルは1.06台に下落。ポンドドルは上値重くもユーロドルほどは下げず、1.25台を維持した。きょうはユーロが売られたが、木曜日にECB理事会を控えており、7月利上げ開始がコンセンサスも、利上げ幅については理事の間で見解が分かれている。英首相の信任投票は日本時間の7日午前5時に結果が発表され、211対148でジョンソン首相は信任された。

(7日)
 東京市場で、ドル円は133円に迫る動きとなった。132円台前半から仲値公示後に132.70台まで上昇。その後の押し目は浅く、午後には132.96近辺まで高値を伸ばした。ユーロ円は午前中に141.70付近まで買われ、ドル円とともにその後も堅調に推移。午後には142円台をつけた。ユーロドルはドル買い圧力に押されて1.07台から1.0670近辺まで軟化。その後はレンジ内で振幅も、円相場のような明確な流れはでなかった。豪ドルが一時急伸。豪中銀理事会で50bp利上げが発表された。事前予想では25bpや40bpが大半で、50bpはサプライズとなった。対ドルで0.7180台から0.7250手前まで急伸。しかし、その後は一転して上昇を解消と激しく振幅した。対円では円安圧力の分、底堅さを残した。

 ロンドン市場は、円売りにやや調整が入った。ドル円はロンドン朝方に133.00レベルまで上昇。2002年4月以来の高値水準となった。その後は米債利回りの上昇一服とともに、やや調整が入っているが、132円台後半の高値圏にとどまっている。この日も黒田日銀総裁が強力な金融緩和を継続する姿勢を確認しており、その他中銀が金融引き締めに動いていることとの差が明確になっている。きょうは豪中銀が政策金利を50bp引き上げて0.85%と発表した。欧州株や米株先物・時間外取引は前日に買われた反動もあって上値重く推移。ロンドン時間はやや円売りの矛先が鈍っている。ユーロ円は142円近辺の高値から141円台後半へと小安い。ユーロドルは1.0665近辺に安値を広げたあと、1.07台に乗せる場面があったが、再び1.06台後半と上値重く推移。一方、ポンドドルは序盤に1.2430付近まで下押しされたが、その後は1.25台前半へと反発し、本日高値を伸ばしている。ポンド円も同様に165円台前半から166円台乗せ水準で下に往って来い。ポンドは対ユーロでも買い戻されている。ジョンソン英首相の信任投票後はポンド売りが強まったが、足元では一服。

 NY市場では、ドル売りの動き。米債利回りの上昇が一服したことに反応している。米10年債利回りは再び3%を下回る水準へと低下した。ドル円は戻り売りに押されて、132.35近辺まで一時下落。ただ、政府・日銀当局者の円安に関する発言は抑制的。円安のプラス面を期待する声も出ているようだ。本日は日銀の黒田総裁が国会に召集されていたが、「安定的な円安の動きであれば、日本経済全体にはプラスに作用」と説明していた。鈴木財務相も「急速な変動は望ましくない」といった最近の定型の発言に終始している。円安基調に目立った変化は見られないとの見方が広がっている。ユーロドルは1.06台半ばまで下落したあとは1.07近辺まで買い戻された。ECB理事会では7月利上げ開始が示唆されると見込まれているが、利上げ幅が0.25%ポイントになるのか、0.50%ポイントの大幅利上げになるのかはまだ見解が分かれている状況。ポンドドルはロンドン朝方に1.2430近辺まで下落したが、NY時間に入るとドル売りに支えられて1.26付近まで一気に買い戻しが加速した。この日発表の英サービス業PMIが速報値から上方修正されたことが買いを誘った面もあった。
  
(8日)
 東京市場では、ドル円の上昇の流れが継続。前日海外市場では133.00近辺まで買われたあとはNY市場で米債利回り低下とともに132.30台まで調整売りに押された。しかし、NY夕方からは再び買いが優勢となった。東京朝には133円台にしっかりと乗せると、133.20近辺まで高値を伸ばした。その後は売買交錯も133円台割れでは買いが入り133.29近辺に再び高値を伸ばした。米10年債利回りは3%台を回復している。日本株やアジア株が堅調なことでクロス円も買われた。ユーロ円は142.40付近に高値を更新。ユーロドルは1.07台乗せ水準から1.0680割れまでじり安。

 ロンドン市場は、円が全面安。ドル円は一時134.13レベルと2002年2月以来の高値水準となった。東京市場で付けた安値からは1円55銭の大幅上昇。クロス円も買われ、ユーロ円は143.90近辺、ポンド円は168.15近辺、豪ドル円は96.45近辺などへ高値を伸ばしている。このところ注目度が高い黒田日銀総裁の発言だが、きょうも「金融緩和はまだ道半ば、日銀は緩和政策を継続することで経済支えるべき」と緩和継続の強いメッセージを繰り返した。日銀と各国中銀との金融政策スタンスの差がより鮮明になっている。米10年債利回りは3.02%付近まで上昇した。OECD経済見通しでは、成長率引き下げとともにインフレ予想をウクライナ戦争前から約2倍の伸びに引き下げた。ユーロ相場にとってはあすにECB理事会を控えており、金融市場では向こう1年間の利上げ織り込み度も高まっている。ユーロ買い・ポンド売りの動きもみられた。

 NY市場では、ドル円が一段高。午前に134.50手前水準まで買われた。その後の調整売りは133.60近辺まで。取引終盤にかけては再び134円台に乗せている。ドル買いには一服感が出ているものの、円安と米国債利回り上昇がドル円をサポートした。クロス円も買いが膨らんでおり、ユーロ円は10日続伸し、一時144円台まで上昇。2015年1月以来の高値を更新。この日は黒田日銀総裁が金融緩和を続ける意向を強調していた。FRB、ECB、英中銀など各国がインフレ対応の利上げに動く中で、日本の足元のインフレは欧米と比較すれば、明らかに落ち着いており、日銀は唯一緩和姿勢を貫く姿勢を堅持している。各国中銀の金融政策格差に市場の焦点が集まる中で、過熱感は否めないものの、円売りは最も手掛けやすい戦略となっているもよう。ユーロドルは1.07台を再び回復。ロンドン時間に1.06台に値を落としていたが、NY時間にかけて買い戻された。ユーロにとっては明日のECB理事会が注目されており、発表までは動きにくさも。ポンドドルは1.26付近から1.25台半ばへと伸び悩んだ。

(9日)
 東京市場は、円安に調整が入る展開。ドル円は東京朝方に上値を試して134.50台まで高値を伸ばした。しかし、その後は調整売りに押されている。米債利回りの上下動に神経質に反応するなかで、133.65近辺まで下落した。ユーロ円も朝方に144円台をつけたが、午後に入るとドル円の下落とともに143.50割れ水準へと下押しされた。ユーロドルは1.07台前半での推移。この後のECB理事会を前に上下ともに慎重だった。

 ロンドン市場は、円買いの動きが継続。このところの急ピッチな円安の動きに、ECB理事会のイベントを目前に控えて調整が入る格好。ドル円は東京朝方には134.56レベルまで高値を伸ばしたが、その後は上値重く推移。ロンドン時間に入ると133円台後半から一時133.20近辺まで下落した。クロス円も軟調。ユーロ円は東京朝方に144円台に乗せる場面があったが、ロンドン時間には142.70付近まで下落。ポンド円も168円台後半を高値に売られ続けており、一時166.70近辺まで下落。欧州株が軟調に推移。ECB理事会では7月利上げ開始が明示される見込みとなっているが、今後の利上げペースについての不透明感が株式市場の重石となる面があるようだ。ドル円以外ではドル相場は方向性が希薄。ユーロドルは1.07台割れとなるも、すぐに1.07台前半に戻している。ポンドドルは1.25台割れから1.25台前半に戻す動き。ドル指数は前日終値を挟んだ上下動にとどまっている。

 NY市場では、ユーロ売りが強まった。ユーロドルは1.06台前半まで下落。ECB理事会を受けて上下動した末に売り優勢となった。ECBの声明では7月の0.25%の利上げ開始を明確に打ち出され、9月についても利上げの意向を示したが、「中期的なインフレ期待が持続または悪化した場合」には0.50%ポイントの大幅利上げの可能性も示唆した。ユーロドルは声明を受けて買いが強まり、1.0775付近まで上昇したが、その後のラガルドECB総裁の会見を受けて、一気に戻り売りが強まった。総裁は9月の利上げの可能性が高いことを示唆する一方で、政策の完全な任意性を維持することを目指していることを強調した。9月の大幅利上げが保証されるという市場の期待を弱めている。ポンドは蚊帳の外といった雰囲気となり、ポンドドルは1.25台割れから1.25台半ばでの振幅にとどまった。ドル円は再び134円台に戻した。ロンドン時間までの調整売りは一巡しており、あすの米消費者物価指数発表をにらむ動きに。

(10日)
 東京市場は、円安に調整が入った。ドル円は朝方に134.50手前水準で上値を抑えられると、134円付近へと反落。午後にはさらに133.70台まで下押しされた。ユーロ円は142円台後半から前半へと軟化。ポンド円は168円付近から167円台前半へと下押し。前日のNY市場で米株が下落したことを受けて、日本株やアジア株が下落しており、調整ムードが広がった。ドル円はこのところ134.50付近が抵抗水準となっており、短期ポジション調整が入る面も。米消費者物価指数の結果を見極めたいとのムードも漂っている。

  ロンドン市場は、円買いが優勢。東京午後に行われた財務省、金融庁、日銀による3者会合で、これまでよりも踏み込んだ表現で円安進行に懸念が表明された。「最近の為替市場では急速な円安進行が見られ憂慮している」「G7合意に基づいて、必要であれば為替市場で適切に対応」などの声明を発表した。これを受けて、ドル円は一時133.37レベルまで下落。その後は下げ渋っているが、134円付近では上値を抑えられている。ロンドン時間に入るとユーロ円やポンド円などのクロス円が下落。ユーロ円は142円台割れから141.60台へ、ポンド円は167円付近から166.50割れ水準へと下落している。ユーロドルは1.06台割れ、ポンドドルは1.24台前半へと軟化。前日のECB理事会での利上げ方針発表で米株式市場が下落、今日も欧州株が大幅安になっており、リスク回避圧力が広がっている。この後発表される米消費者物価指数への不透明感もあって円安の流れに調整が入っている。

NY市場では米消費者物価指数の強い結果を受けてドル高の動きが強まった。133円80銭台で注目された米消費者物価指数の発表を迎え、発表後は振幅を経て、ドル高が優勢に。米消費者物価指数が市場予想に反し、前回、さらに直近で最も高かった前々回の水準を超える高水準となったことがドル買いを誘った。米株にはマイナス材料となったことで、134円40銭近くから133円50銭台までの大きな調整も、その後米債利回りの上昇が見られたことで、ドル全面高に。ドル円は東京朝の水準を超えて134円48銭前後まで上値を伸ばし、高値圏で週の取引を終えている。ユーロドルはドル高に押されて午前中に1.0500台まで下落も、大台手前の買いが下値を支えた。もっとも戻りは鈍く安値圏もみ合いとなった。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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