FX/為替予想「エネルギー高がトルコ経済に襲い掛かる中、トルコ中銀がインフレ抑制の構えを見せないとリラ下落の公算大」トルコリラの焦点
執筆：外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
先週（4月4～8日）のトルコリラ相場は、対ドルで約0.5％下落。もっとも、ドルは対円で約1.4％上昇しており、対ユーロでも約1.5％上昇した。その点ではドル全面高の中でもリラの下落は小幅だったと言えるだろう。結果的に、リラは対円では約0.9％上昇した。4日に発表されたトルコ3月消費者物価指数（CPI）は前年比+61.1に達し、インフレ調整後の実質金利はマイナス幅を拡大したが、大規模なリラ売りを誘発しなかった。
そうした中、市場は14日に予定されているトルコ中銀の政策金利発表に注目している。前回と同様に、ごく一部には利上げを期待する向きもいるようだ。ただ、高金利を忌み嫌うエルドアン大統領が利上げを了承する可能性は低いだろう。政策金利である1週間物レポレートは14.00％に据え置かれる公算が大きい。トルコでは、ウクライナ危機によるエネルギー高などの影響も相まって、中銀の予測に反してインフレが高進している。仮に中銀がインフレ高進に対する楽観姿勢を変えなければ、実質マイナス金利が改めて意識されることになりそうだ。リラに下落圧力がかかる可能性もあるため注意が必要だろう。
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