FX「FOMCに関心集中」 外為トゥデイ 2021年9月22日号
目次
▼21日(火)の為替相場
(1):RBA議事録「回復に遅れ」
(2):香港株上昇 円売り優勢へ
(3):OECD 経済見通し公表
(4):米住宅着工件数 予想上回る
(5):FOMCを前に様子見ムードへ
21日(火)の為替相場
期間:21日(火)午前6時10分~22日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):RBA議事録「回復に遅れ」
豪中銀(RBA)は9月7日に開いた理事会の議事録を公表。「新型コロナウイルスのデルタ変異株の感染拡大が1カ月前の想定よりも深刻な形で景気回復を妨げた」との認識が示された。「メンバーは、経済活動の制限措置の影響で労働市場のさらなる回復に遅れが出ると予想」「会合では7-9月期以降の経済活動の回復の時期とペースは公衆衛生面の状況に応じた制限解除に大きく左右されるとの見解で一致した」事も明らかになった。
(2):香港株上昇 円売り優勢へ
中国不動産大手、恒大集団の資金繰り難を巡る懸念から下げが続いていた香港株・ハンセン指数が上昇に転じるとリスク回避ムードが和らぎ円売りが優勢となった。なお、恒大集団の経営トップ、許家印主席は従業員に向けて「懸命な努力に深く感謝する」「一刻も早く暗闇から抜け出し、住宅購入者や投資家、金融機関に『責任ある回答』を手渡すことができると固く信じている」などとメッセージを送ったとの事。
(3):OECD 経済見通し公表
経済協力開発機構(OECD)は最新の経済見通しを公表。2021年の世界の経済成長率予測は5.7%とし、5月の前回予測から0.1%ポイント下方修正した。2022年の予測は0.1%ポイント上方修正し4.5%とした。国・地域別の経済成長率予測は、米国が21年6.0%で前回予測から0.9%ポイント下方修正。22年は3.9%で0.3%ポイント上方修正した。中国は21年8.5%、22年5.8%で、ともに前回予測から変わらず。ユーロ圏は21年5.3%で前回予測から1%ポイント上方修正。22年は4.6%で0.2%ポイント上方修正した。日本は21年2.5%で前回予測から0.1%ポイント下方修正。22年は2.1%で0.1%ポイント上方修正した。
(4):米住宅着工件数 予想上回る
米8月住宅着工件数は年率換算161.5万件と市場予想(155.0万件)を上回った。着工件数の先行指標である8月建設許可件数も172.8万件と予想(160.0万件)を上回った。
(5):FOMCを前に様子見ムードへ
欧州株の上昇に連れて小高く始まったNYダウ平均がマイナス圏に沈むと、円買いが再び優勢となった。結局NYダウ平均は小幅安で終了。中国恒大集団を巡る不安はやや緩和したものの、米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に様子見ムードが広がった。
21日(火)の株・債券・商品市場
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本日の見通し
ドル/円の見通し:FOMCまでは方向感のない動き
昨日のドル/円は終値ベースで約0.1%下落。一時109.71円前後まで上昇したがNY市場終盤には109.19円前後へと反落するなど上値の重い展開となった。もっとも、ドルはポンドや豪ドルに対して小幅に上昇した一方、ユーロに対しては横ばいとマチマチの動きであった。本日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にした持ち高調整が主流だったと見られる。
FOMCではテーパリング(量的緩和の段階的な縮小)の開始が正式に決定するとの見方は少ない。ただ、年内開始の方針は維持すると見られている。他方、FOMCメンバーの政策金利見通しを示すドットチャートでは、利上げ予想時期が6月時点の2023年から前倒しされる可能性もある。今回初めて示される2024年の予想金利水準にも注目が集まっている。
中国不動産大手、恒大の資金繰り難を巡る問題に大きな動きがなければ、FOMCまではドルの方向感のない動きが続きそうだ。なお、日銀金融政策決定会合は市場の関心が低く無風通過の公算が大きい。
注目の経済指標
注目のイベント
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