「ソーセージ戦争」への懸念がポンドを圧迫との声も=NY為替
きょうのポンドドルは東京時間に1.37ドル台前半まで値を落としていたものの、ロンドン時間以降、買戻しも入り、1.37ドル台後半まで戻している。この日発表のADP雇用統計が予想を大きく下回る弱い内容となり、ドル売りが優勢となっていることもポンドドルをサポートしている。
先週のパウエルFRB議長の演説が慎重姿勢を強調したこともあり、ポンドドルはリバウンド相場を継続しているものの、1.3810ドル付近に来ている200日線を試そうという雰囲気までは見られていない。英中銀は来年後半にも引き締めに転じると見られている中で、FRBやECBと比較すれば、タカ派なスタンスとも言える。金融政策面で見れば、ポンド優位とも言えるが、依然としてその気配は見られていない。
やはり、EU離脱に伴う影響がポンドを圧迫しているとの声も出ている。北アイルランドを巡る「ソーセージ戦争」と呼ばれる対立が英国とEU間にはある。EUは英国に対して、離脱に伴う冷蔵肉製品を英本土から北アイルランドに出荷できないようにする規制措置の適用を7月から3カ月間猶予している。しかし、その期限が今月末に来ることから、再び、英国とEUとの間が不安定になることが憂慮され、ポンドに積極的になれないとの声もあるようだ。
欧州委員会は当時、延長はこれが最後であり、スーパーマーケットがこれまでとは異なる食肉製品供給体制を築くために、この期間を利用するべき、もしくは一致した公衆・動物・植物衛生基準を維持するというEU提案を英国が受け入れるべきだと述べていた。
GBP/USD 1.3784 GBP/JPY 151.70 EUR/GBP 0.8598
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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