【これからの見通し】値動き鈍いが、米中関係などリスク材料はくすぶる
【これからの見通し】値動き鈍いが、米中関係などリスク材料はくすぶる
経済再開による景気回復への期待に新型コロナに対する治療薬の話題も加わり、このところのリスク動向は良好だ。前日の米株式市場ではダウ平均が500ドル超高で取引を終えており、終値は、ほぼ2万5千ドル水準となった。きょうも日経平均が148円高と続伸している。
そのなかで為替市場では全般的にドル売りが優勢になっている。新型コロナ相場では、リスク回避のドル買い、リスク選好のドル売りの図式が定着しているようだ。ユーロドルは1.10台乗せをトライ、ポンドドルは一時1.23台後半へと上昇した。ドル円はというと、107円台で売買が交錯しており、足元では円安よりもドル安の方が優勢になっている。
通貨オプション市場では短期を中心にボラティリティー水準が低下し続けている。ドル円1週間は5%を下回る場面があった。ボラティリティーの低下は、高金利通貨への買い需要にもつながりつつあるようだ。
しかし、安心してばかりはいられない。明日の中国全人代では国家安全法の制定が見込まれており、香港をめぐる米中対立が一段と激化するリスクを抱えている。足元では比較的平穏な相場展開となっているが、週末にかけての波乱相場には念のため注意しておきたい。
このあとの海外市場で発表される経済指標は、MBA住宅ローン申請指数(22日までの週)が予定されている程度。材料難となりそうだ。ただ、月曜日の米祝日の影響もあって、あすからは月末にかけて米経済指標発表が多く発表される。
一方、イベント関連の予定は比較的多い。ラガルドECB総裁、デギンドスECB副総裁、ブラード・セントルイス連銀総裁、ボスティック・アトランタ連銀総裁などの講演が予定されるほか、米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表される。米2年債入札(440億ドル)、米5年債入札(450億ドル)が実施される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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