リスク回避の円買いとドル買い、米中関係悪化を警戒=ロンドン為替概況
リスク回避の円買いとドル買い、米中関係悪化を警戒=ロンドン為替概況
22日のロンドン市場は、リスク回避の円買いとドル買いの動きが広がっている。WHOや台湾問題に加えて、香港をめぐって米中関係の悪化が懸念されている。中国全人代での国家安全法について米国側が強い措置をとるとしたのに対して、中国側は内政干渉だと反発している。また、全人代で経済成長目標の数字が発表されなかったことも市場に警戒感を与えた。今日発表された英財政赤字は新型コロナ対策で過去最大となった。英中銀副総裁は、QE拡大やマイナス金利に含みを持たせていた。ポンドドルは1.22台割れから1.21台後半へ、ポンド円は131円台割れから130円台後半へと下落している。ユーロドルは5月18日以来の1.08台へと一時下落、ユーロ円は117円ちょうど付近へと下押しされている。ドル円は欧州株安とともに107.30台まで一時下落したが、その後は107円台半ばに落ち着いている。原油安、金相場上昇、欧州株や米株先物が下落するなどリスク回避相場となっている。
ドル円は107円台半ばでの取引。序盤に107.32レベルまで下押しされたあとは、107.50台まで買い戻された。中国全人代での国家安全法について米国側が強い措置をとるとしたのに対して、中国側は内政干渉だと反発している。また、全人代で経済成長目標の数字が発表されなかったことも市場に警戒感を与えた。欧州株や米株先物が下落しており、リスク回避ムードが広がっている。
ユーロドルは1.09近辺での取引。東京市場からのじり安の動きが継続している。ロンドン市場では1.0887レベルまで一時下落。5月18日以来の1.09台割れとなった。ユーロ円は117円台半ばが重く、一時117.03レベルまで安値を広げている。前日のマーケットでユーロドルは節目の1.10台をつけたが、その後は売りが続いている。リスク回避に加えて、週末に向けたポジション調整の面もあるようだ。
ポンドドルは1.21台後半での取引。ロンドン早朝に発表された4月英財政赤字が過去最大となった。新型コロナ対策の影響がでていた。ラムスデン英中銀副総裁は、マイナス金利についてオープンマインドと発言。QE拡大についても含みを持たせていた。ポンドドルは1.22台割れから一時1.2162レベルまで下落。その後は1.21台後半で揉み合っている。ポンド円は131円台前半から130.70近辺へと下落、東京早朝の高値からは1円超の下落となった。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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